各グループ6カ国によるホーム&ア
ウェイ方式で行われ、上位2チーム
に入れば本大会出場権を獲得できる
カタールW杯アジア最終予選。5日
に行われたグループCの日本の初戦
であるホームでの中国戦を録画観戦。
舞台は埼玉スタジアム2002。
2次予選を無失点の全勝で勝ち上が
った日本。だがさすがに難敵が多い
最終予選では苦しむ局面もあるだろ
う。同じ組ではサウジアラビア・オ
ーストラリアは強国。最終予選から
三苫・伊東の快足両ウイングが復帰
したのは願ってもない朗報で、まず
初戦を確実に勝って勢いに乗りたい
ところ。
日本の先発メンバーは、GK鈴木、
DF町田・谷口・板倉、MF三苫・
守田・遠藤・堂安・南野・久保、F
W上田。フォーメーションは攻撃的
な3バックを採用した3-4-2-1。
開始直後から中国はコンパクトな陣
形で早めのプレスに来るが基本は引
き気味。徐々に日本がボール回しで
支配し優勢になってくる。両サイド
のウィングバックは左の三苫が突破
して中央にクロス、右は堂安が久保
とのコンビで仕掛けるなど期待感が
ハンパない。11分に右サイドでボ
ールを受けた久保が中央に低めのク
ロスを供給し、堂安がヘディングシ
ュート。しかしこれは相手GKの好
セーブに阻まれる。直後の左CKで
久保がボールを入れると、ゴール前
の混戦から抜け出した遠藤がフリー
となり鮮やかなヘディングシュート
をゴール左隅に突き刺す。日本はこ
れで1ー0と先制。12分という早
い時間帯に取れたのも大きい。その
後、先制した日本は攻め急ぐことは
なく、ロングボールを入れてくる中
国にも堅実な守備で対応。その間に
も三苫→南野、守田→久保へのパス
からタイミング良くシュートチャン
スを創出。30分過ぎからは日本の
攻勢が続き、南野の反転からのシュ
ート、町田→上田→久保とダイレク
トで繋いでのシュートが立て続けに
あったが得点には至らない。追加点
が入ったのはアディショナルタイム
の47分。右サイドの堂安が左足で
ファーサイドにクロスを入れると走
り込んできた三苫がヘディングで合
わせて右サイドネットを揺らす狙い
すましたゴール。日本は2ー0で前
半を折り返す。
ハーフタイムにメンバー交代がなか
った日本は、後半開始後も試合を支
配。7分に左サイドで三苫とのパス
交換からゴール前左に突進した南野
が相手選手をかわして右足でゴール
右にシュートを決めて3ー0。更に
13分、町田からゴール前中央への
速く低いパスを上田がゴールに背を
向けた体勢で前に返すと、それを拾
った南野が右に流れながら右足で今
日2点目。日本4ー0と一方的な展
開になる。これを受けて18分に三
苫・堂安→伊東・前田に交代。7カ
月ぶりの代表カムバックとなった伊
東に対するサポーターの大歓声が凄
まじい。23分に得たペナルティエ
リア左前からのFKは久保が直接ゴ
ールを狙ったが、ボールは惜しくも
クロスバーの僅か上。こういう形で
の点の取り方ができるとバリエーシ
ョンが増えるのだが。引き続き日本
優勢で試合が進む中、32分には伊
東にゴールが生まれる。右サイドの
久保からゴール前右でパスを受けた
伊東は前進しながら左足でシュート。
相手選手の足に当たってコースが変
わったボールはゴール左に吸い込ま
れ日本5-0。祝福するチームメー
トも皆んな嬉しそうだ。この後スタ
ンドに向かって伊東が深々と一礼す
る格好を見せたのはサポーターへの
感謝の表れだったのだろう。38分
には右サイドで伊東がヒールパスで
久保とのワンツーを見せてスタンド
を沸かせていた。更に見せ場は続く。
42分に伊東が右サイド浅めから速
いクロスをゴール前左に供給。速い
球だったので追いつかないかなと思
ったら左を猛然と走ってきた前田が
食らいつき、ワンバウンドしたボー
ルを頭で合わせてゴールに押し込む。
このスピードと泥臭さは前田の長所
だろう。点は6-0に。そして最後
はアディショナルタイムの50分。
左サイドに回り込んだ伊東がゴール
前左の久保にマイナスのパス。久保
はゴール前の密集を突き破るように
鋭いシュートを左足で放ち、日本7
-0で試合は終了。
入りが難しい初戦を完勝で終わらせ
た日本はこれ以上にないスタートを
切った。だが同日開催のカードでは
バーレーンがオーストラリアを破る
など最終予選はやはり何が起こるか
分からない。そのバーレーンとのア
ウェイでの対戦は中4日で灼熱の中
東で行われる。勝って兜の尾を締め
て、9カ月も続く長丁場の最終予選
を勝ち抜いてワールドカップ進出を
果たしてほしい。