サクソンの2ndアルバム「Wheels
Of Steel」(1980年)収録。
NWOBHMの名盤として名高いアル
バムのタイトル・チューンとなるミ
ディアムファースト・テンポながら
疾走感に溢れるメチャカッコいいヘ
ヴィ・ナンバー。曲は6分に及ぶ大
作。このアルバムのジャケットは両
方の羽を拡げた金属メッキの鷲がオ
ートバイの車輪を持ち上げている姿
が描かれていてキマっている。
オープニングは鋭利で重厚なやたら
カッコいいギターリフで始まる。リ
フ自体はシンプルで軽快な作りだが
鋼を削るような尖った音が猛々しく
て迫力が凄い。身体が自然と反応し、
縦ノリの疾走感がヘッド・バンギン
グに誘う。サウンドはAC/DCに通
じる面もあるが、サクソンの方が湿
り気があって孤高に感じる。
ビフ・バイフォードのボーカルは適
度にパンキッシュな粗さを残しなが
らも信念に満ちていて完成度が高い。
中盤のギターソロはメロディックな
速弾きが続き、エモーショナル。こ
こは曲の見せ場でもある。
終盤に曲はいったんストップした後
に再開。金太郎飴かもしれないが、
自分たちはこのスタイルを続けるん
だという意思表明のように思えて共
感を抱く。