浜田省吾の10thアルバム「J・BOY」

(1986年)収録。


青春期の少年の成長を描いた歌詞に

思わず引き込まれてしまう8分を超

えるドラマティックな大作バラード。

当アルバムのDISK2のSIDE-Cに並

ぶ「19才のままさ」から本曲を挟

んで「路地裏の少年」に繋がる3曲

は、日本のロック史上に残る神の構

成と言える。


曲は1番から4番まであるが、1番

は綺麗な音のキーボード中心の静か

な演奏に浜省のボーカルが載る形で

始まり、2番からドラムなどバンド

演奏が加わって躍動感が増す。サビ

よりもAメロが素晴らしく、物語性

がある。サウンド面ではオルガンが

荘厳な宗教的な雰囲気を出している

のも特徴的。4番の前半は再びキー

ボード中心のバックに戻り、その印

象が高まる。淡々と歌う中で切ない

情感や力強さを感じさせるボーカル

の素晴らしさはホント痺れる。個人

的には2番が突出して好き。


♪   やっと試験に受かったと

  喜び勇んで歩く並木道

  肩にセーターとおろしたての

  バスケット・シューズ

  長髪をひるがえし

  駆け上がる校舎

  初めてあの娘に出会った朝は

  僕は20才でまだキャンパスも春

  赤いヘルメットの奥の瞳に

  見透かされたようで

  何とか照れ笑い

  遠くへ 遠くへと願った日々

  真直ぐに見ておくれ

  僕は泣いてる 君のために


  ポケットの中 僅かなバイト料

  最終電車を待つ

  プラット・ホームから

  あの娘に電話

  「やあ僕さ 元気かい」

  「今から出て来ないか

   どこかで飲もうぜ」

  駅前通りの馴染みの店で

  グラスを重ねて

  そして初めての夜

  その日 あの娘の恋が

  終わったとは知らない僕も

  ひとり寂しかったし

  

  紺と銀色の盾の前で

  空を仰いで祈り続けた

  “神よ 僕等に力を貸して

  でなけりゃ今にも

  倒れてしまいそう”

  振り向くと遠くに

  あの娘の眼差し

  笑っているのか

  泣き出しそうなのか

  違う違う こんな風に僕は

  打ちのめされる為に

  生きてきた訳じゃない

  

  “星がひとつ 空から降りて来て

  あなたの道を照らすのよ”と

  話してくれた Woo

  きっとそうだね

  いつまでたっても

  石ころじゃないさ

  遠くへ 遠くへと願った日々

  真直ぐに見ておくれ

  僕は泣いてる 君のために ♪