クリスタルキングの8thシングル

(1982年)。


「大都会」に代表される迫力の低音

と超ハイトーンのツインボーカルに

よるハードなロックのイメージとは

一線を画し、眩しくも切ない夏の一

瞬の輝きを切り取ったような隠れた

名曲。ボーカルはムッシュ吉崎でも

田中昌之でもなくギタリストの山下

三智夫で、エア・サプライを想わせ

る爽快なサウンドと曲調がクリキン

の奥行きの深さやクオリティの高さ

を示していて驚かされる。


イントロは爽やかなギターとホーン

で始まる。曲の構成はAメロ→Bメ

ロ→サビ。Aメロはややゆっくりし

ていてBメロ以降にテンポアップ。

何れもキャッチーなメロディで素晴

らしい出来。山下のソフトなボーカ

ルは曲調にピタリ合っていて、メン

バーのコーラスもファルセットを入

れたりして見事。これだけでかなり

の完成度であるが、サビにだけボリ

ュームを抑えた田中のコーラスが加

わるところが最大のミソ。聞いてす

ぐ分かる伸びやかで圧倒的なハイト

ーンで、歌の上手さが抜群なのでメ

チャ目立つ。彼らのファンでなくて

も思わずニヤけてしまうほど強烈だ

けど微笑ましい。


♪   さよならセシル

  渚に今 想い出を集めて

  君の書いた ダイアリー

  読み返すよ

  サーフボード 海にわすれ

  抱きあった夏の日

  熱く燃えたくちづけが

  戻るようさ


  Summer time

  君はサリーを脱いで

  甘く燃えた素肌を寄せたね


  I love you my Sweet Cecile

  君は愛のフォトグラフ

  心の岸辺に涙を ♪