杉田かおるのシングル(1981年)。

TVドラマ「池中玄太80キロ」の挿

入歌。作詩は阿久悠。


大ヒットした訳ではないが、当時毎

週楽しみに観ていたドラマの挿入歌

として思い入れがある曲。歌謡曲と

いうよりは純朴でもの哀しい日本人

の心の琴線に触れるバラードのイメ

ージ。


イントロの童謡的な切ないリコーダ

ーの調べが印象的で、構成はAメロ

→Bメロ→サビ。どれも儚くて悲哀

なメロディで胸が締め付けられるが、

サビは結構ドラマチックに盛り上が

る。サウンド面ではオカリナ風の暖

かみとストリングスの壮麗さが上手

くバランス。ボーカルは後年のスキ

ャンダラスな側面とは無縁の透明感

に溢れる声としっとりとした歌唱が

心に沁みる。


♪   あなたがいた頃は笑いさざめき

  誰もが幸福に見えていたけど

  人は人と別れて

  あとで何を想う

  鳥は鳥と別れて

  雲になる 雪になる

  私の心が空ならば

  必ず真白な鳥が舞う

  鳥よ 鳥よ 鳥たちよ

  鳥よ 鳥よ 鳥の詩


  あなたを想うのは日ぐれ時から

  あたりが夕闇に沈む時まで

  人は人と別れて

  夜にひとり迷う

  鳥は鳥と別れて

  月になる 風になる

  私の心が水ならば

  必ず北から鳥が来る


  あなたはいつの日か巣立つ私を

  静かな微笑で見つめてくれる

  人は人と別れて

  愛の重さ覚え

  鳥は鳥と別れて

  春になる 秋になる

  私の心が湖ならば

  必ずやさしい鳥が棲む ♪