イギリスの自動車メーカーのロール

ス・ロイスがかつて製造していた4

ドアセダン型の高級乗用車。

初代は1965年~77年、モデルチェ

ンジ後の「シルヴァーシャドウⅡ」

は80年まで製造された。

 

ボディサイズは超大型で堂々たる存

在感がある。全長5.2m・全幅1.8

m・全高1.5mで車重は2.2t。ホイ

ールベースは3m超だ。長いロアー

ボディにAピラー・Cピラーともに

直立に近い箱型のキャビンが載って

いて、かなりのロングノーズだが後

ろも短くはなくロングノーズ・“ロ

ングデッキ”と言える独特のスタイ

ル。フロントマスクは威厳たっぷり

で正に威風堂々。直立したフロント

部分には左右両側に各々2灯の丸目

ヘッドライト、中央には巨大な五角

形のパルテノン神殿を模した縦模様

のフロントグリルが配置され、その

尖った上部先端にはエンブレムが鎮

座している。

 

超大型ボディを支えるエンジンは何

と6,747ccのV型8気筒。サスペン

ションは前輪がダブルウィッシュボ

ーン、後輪はセミトレーリングアー

ム。重いボディを止めるブレーキも

重要で、四輪ともディスクブレーキ

を採用。

 

67年にはマーガレット王女専用車

も作られたという。日本でもロール

ス・ロイスと言えば高級車の代名詞

というか権威の象徴で、シルヴァー

シャドウという名称は雲上のような

響きであり存在だった。実際、街で

走っている姿を見た明確な記憶はな

い気がする。シルヴァーシャドウⅡ

は、後継のシルヴァースピリットに

その座を譲る形で生産終了となった。