22日に行われたワールド・ベース

ボール・クラシックの決勝戦を録画

観戦。6連勝でここまで勝ち進んだ

日本の対戦相手は準決勝でキューバ

を下した総年俸518億円のスーパー

スター軍団、前回王者のアメリカ。

舞台はフロリダ州、マイアミ・マー

リンズの本拠地ローンデポ・パーク。

 

日本は2009年以来14年振り、3度

目のWBC制覇を果たしたいところ。

対するアメリカはキャプテンに大谷

のエンゼルスの同僚でリーグMVP3

回を誇る通算350本塁打のトラウト

を擁する言うまでもなく強力な布陣

だ。

 

日本の先発メンバーは、

1番 (中)ヌートバー(カージナルス)

2番 (右)近藤(ソフトバンク)

3番 (DH)大谷(エンゼルス)

4番 (左)吉田(レッドソックス)

5番 (三)村上(ヤクルト)

6番 (一)岡本(巨人)

7番 (二)山田(ヤクルト)

8番 (遊)源田(西武)

9番 (捕)中村(ヤクルト)

先発投手は左のエース今永(DeNA)

 

日本は後攻。1回表のマウンドに登

った今永は150キロ超のストレート

とチェンジアップを武器に無難な立

ち上がり。一死からトラウトにライ

ト前ヒットを打たれスキをつかれて

ツーベースとされたが、チェンジア

ップで空振り三振を奪うなど後続を

抑えて無失点で切り抜ける。1回裏

の日本はヌートバーがレフトフライ、

近藤ショートゴロでツーアウト。大

谷がフォアボールで出たが吉田三振

でスリーアウト。

2回表、今永が一死からターナーに

レフト2階席に飛び込む強烈な当た

りのホームランを打たれ、日本0-

1と先制される。さすがメジャーの

パワーは凄い。その後、三振を挟ん

でヒット2本を打たれ、二死1・2

塁のピンチ。内野陣がマウンドに集

まって一呼吸置き、次打者をレフト

フライに討ち取りスリーアウト。2

回裏の日本は先頭の村上が初球を捉

え、右中間2階席に入る完璧な大会

第1号の同点ホームラン。すぐに追

いつけたのはホント大きかった。岡

本もライト前ヒットで続き、山田は

ライトフライに倒れたが源田がレフ

ト前ヒット、中村フォアボールで一

死満塁のチャンスを迎える。ヌート

バーのファーストゴロの間にランナ

ー1人がホームを踏み、日本2-1

と逆転。どんな形でも1点は1点だ。

近藤はセンターフライで2者残塁。

3回表、日本は戸郷(巨人)に投手

交代。二死からフォアボールを2つ

出したものの、落差の大きいフォー

クが有効でトラウトからも含め2奪

三振の無失点で切り抜ける。3回裏

の日本は大谷三振、吉田がフォアボ

ールを選んだが村上セカンドゴロの

ダブルプレーで3人で攻撃終了。

4回表、戸郷はショートライナー・

レフトライナー・ライトフライで3

者凡退に抑える。4回裏の日本は先

頭の岡本が高い弾道の左中間へのホ

ームランで3-1。これは値千金の

1発。その後は山田ライトフライ・

源田三振・中村サードゴロで凡退。

5回表、日本の投手は最年少20才

の髙橋宏(中日)にリレー。最速で

156キロのストレートにフォーク・

スプリットを交えて勢いがある。内

野安打とレフト前ヒットで2人走者

を出したが、トラウトを含め2奪三

振で無失点に抑える。5回裏の日本

の攻撃に移る前、試合前に日本が円

陣を組み、大谷が「今日はメジャー

のスター選手への憧れは捨てましょ

う。我々は勝つために来ている」と

メンバーを鼓舞する姿が映像で流れ

る。それは数年前に大谷がメジャー

に来た時に自分に誓った気持ちのよ

うな気がした。日本はヌートバーが

ライトフライ、近藤フォアボールで

出塁するも大谷セカンドゴロ、吉田

ピッチャーゴロでスリーアウト。緊

迫した試合展開の中、ダルビッシュ

に続いて大谷もレフト後方のブルペ

ンに向かう姿が映る。この後の日本

の継投が凄そうだ。

6回表から日本の投手は伊藤(日本

ハム)に交代。150キロ前後のスト

レートと浮き上がるようなスライダ

ーが走り、レフトフライ・サードゴ

ロ・三振で3者凡退。6回裏の日本

は村上・岡本が連続三振の後、山田

・源田・中村がフォアボールで二死

満塁のチャンス。源田の打席で山田

が相手ピッチャーが高く足を上げる

モーションを逃さず二盗を決めて揺

さぶったのも見逃せない。9番中村

が打席に立つと打順が近づいた大谷

がブルペンからベンチに走って戻っ

てくる。しかしヌートバーはライト

フライで3者残塁。大谷は再びブル

ペンに向かう。

7回表、日本の投手は大勢(巨人)

に交代。小刻みなリレーで5人目だ。

フォアボールとヒットで無死1・2

塁のピンチを招いたが後続をライト

ライナーとショートゴロダブルプレ

ーに討ち取り無失点で切り抜ける。

大谷は7回裏に打順が回ってくるの

で再びベンチへ戻る。その日本の攻

撃は近藤がサードフライに倒れた後、

大谷がショートへの内野安打で出塁。

この時、登板を控えながら1塁へ全

力疾走。ホント超人的才能は勿論、

ひた向きな姿勢に頭が下がる。しか

し吉田がサードゴロダブルプレーで

スリーアウト。

8回表の日本は投手をダルビッシュ

(パドレス)に交代。14年振りに

WBC決勝戦のマウンドに登るとは

どんな感慨なのだろう。入れ替わる

ように大谷は三たびブルペンへ。ダ

ルビッシュは先頭打者をセンターフ

ライに討ち取るも、ナ・リーグのホ

ームラン王シュワーバーに粘られた

末に右中間2階席に痛烈なソロホー

ムランを浴びてしまう。アメリカへ

の声援、USAコールでスタジアムが

沸いている。日本3-2と1点差と

なり、観ている方も強力打線相手に

ヒリヒリするような緊張感を強いら

れる。その後ターナーにもヒットを

打たれたが、後続をショートフライ

とセンターフライに討ち取り切り抜

ける。8回裏の日本は村上・岡本が

連続三振を喫するも、山田が粘って

フォアボール。更に二盗を決めて二

死2塁のチャンス。相手が嫌がるプ

レーをして9回の攻撃に気持ちよく

移らせない意味で、地味なファイン

プレーと言える。大谷が肩を作る時

間を伸ばすためにも。だが源田はサ

ードゴロに倒れ日本の攻撃は終了。

いよいよ泣いても笑ってもの大詰め

の9回表。日本は投手を二刀流の大

谷(エンゼルス)に交代。大谷の名

前がコールされると敵味方のファン

関係なくスタジアムがどよめいたよ

うに感じた。フォアボールで先頭打

者を歩かせたものの、次打者をセカ

ンドゴロダブルプレーに討ち取り、

あと1人に。ここで迎える打者はエ

ンゼルスの同僚で仲の良いトラウト。

ドラマ以上の筋書きで試合はクライ

マックスを迎える。初球はスライダ

ーでボール。2球目はストレートで

空振り。3球目ストレートでボール。

4球目ストレートで空振り。5球目

は今日最速164キロのストレートで

ボール。フルカウントからの6球目、

鋭く曲がって落ちるエグいスライダ

ーで空振り三振。試合終了で日本3

-2で14年振りのWBC優勝という

劇的な終幕となった。大谷はグラブ

と帽子を投げ捨て喜びを爆発させる。

マウンド上に出来た歓喜の輪は本当

に嬉しそうな選手や監督・コーチた

ちの表情に溢れ、感涙を誘われる。

その後もインタビューや表彰式、写

真撮影などで喜びが続く一方、これ

で最高のメンバーと離れ離れになる

寂しさが皆んなの脳裏に浮かんでい

るようだった。侍ジャパンに元気と

勇気、諦めない大切さや感動をもら

ったのは日本国民共通の思いだろう。

 

大会MVPは大谷。文句なしではある

が、大事な場面で打ち続けた吉田や、

宮崎合宿初日から合流してチームの

一体感を早くから醸成させたダルビ

ッシュの役割も大きかった。そして

出場したメンバー皆んながそれぞれ

良い働きをしたのが強さの源だろう。

以前の日本は、小よく大を制す、機

動力と小技が特徴だったと思うが、

今回はパワーでもメジャーにひけを

取らない選手が何人もいることに驚

かされる。そして皆が明るく楽しそ

うなことがとても印象的だ。野球っ

てすげえなという栗山監督の言葉も

記憶に残りそうだ。