新宿御苑前にある都内でも最高レベ

ルの評価のラーメン店を訪問。

前回食べたのは店がまだ幡ヶ谷にあ

った頃で10年以上前だと思う。あ

の時食べた蛤風味のスープに衝撃を

受けた記憶がある。その後ミシュラ

ン一つ星を獲得。店名に「金色」が

足された。

正午過ぎに着くと、店内の待合席で

待ちは4名。普通のラーメン屋に比

べると、女性比率と外国人比率が高

い。約20分でカウンター席に案内

される。最も代表的なメニュー「真

鯛と蛤の塩そば」を注文。

 

卓上にある解説には、出汁は “宇和

島産の真鯛と桑名産の蛤に乾物系出

汁の三種類を合わせ、動物系を一切

使用せず繊細の中に深みのあるスー

プに”、塩たれは “沖縄海塩、モンゴ

ル岩塩をブレンド、旨みを繊細に”、

また味の変化を楽しむ特製ソースと

して “ポルチーニデュクセル、イン

カベリーソース、白トリュフオイル、

国産黒豚パンチェッタベーコンビッ

ツ”をトッピングしていると書いて

ある。それらを読んでいるうちに着

丼。スープは黄色ががった明るい黄

土色で表層に脂の膜がある。具はチ

ャーシュー1枚と穂先メンマ。薬味

は細切れの緑色の香味野菜(?)と刻

み白ネギ。そして特製ソースが3ヶ

所に分けて少量ずつ載っている。

 

スープを一口飲むと、独特の魚介系

の強い出汁とあっさり目の塩味を感

じる。出汁はやはり蛤の風味が最も

強い。深みと滋味があって旨い。他

にはない、とても個性的な味わいだ。

麺は中細のストレート麺。細いがコ

シが強くてしっかりしているので、

スープに負けない存在感がある。半

分ほど食べ進めてから、おもむろに

3種類の特製ソースを含めて丼の中

のものをよく混ぜてみる。蛤の強い

風味が消えて、コク深い複雑な旨み

が重なった味になり、これまた見事

に調和して美味しい。ベースは和の

素材なのに、何となく洋風の味わい

が加わった気もする。よく考えると

かなり実験的な試みというか店主の

自信と勇気を感じた。

具は、チャーシューも穂先メンマも

とても美味しい。チャーシューは素

材の良さを感じる肉々しいもので、

脂身も相応にあり肉厚。チャーシュ

ーというよりハムに近い。穂先メン

マは1本だけだが柔らかくて食感が

素晴らしかった。