しょうこの車はなおっていなかった…

頭をボリボリかきながら、放心状態のしょうこの真後ろにmaxが立っていた。
ビクン!

「完璧にって言ったじゃん!」


「廃車かな…簡単にわかりやすく言うと車両本体のベースが歪んじまってる。」
「直んないの?!」
「あぁ…買い替えた方が安いぜ!」

ガーン (泣)
おいおい、簡単にいうなよ新車でまだ3度位しかぶつけてないんだよ~~

普通じゃないだろw
「今日は俺が会社まで送ってやろうか」
あっ! 遅刻する…

このうえ、遅刻してセクハラ上司に怒鳴られたら、当分立ち直れそうにないからMAXに送ってもらう事にした。

でも、とばさないとやばいっしょ

早くいこう!
アタシ運転するから!

maxはどの車でいく?
よりどりみどりだぜって
しょうこは、何でもよかった
早く着ければよかったからね!

maxは事務所から鍵を持って来た。
スカイラインGTR!!!
しかもVスペックかよ~

「これで行こう!しょうこのミニカよりは早いぜ!ただし、売り物だから、俺が運転するからな」

しょうこは黙って助手席に腰をおろした。

ブォンブォン

maxがエンジンをかける。
低音で重みのあるその音が心地よく響く。
一般道を走りだす。
「ひゃっ!」
しょうこは思わず声をあげた。
アクセルを踏み込んだ時の加速にビックリした。

速っ!!!

隣を見るとmaxがニヤリと笑った。

「しょうこ、車好きか?」

「大好きだよ。スピード出して追い抜くのカイカン」
薬師丸ひろこのモノマネ風に言ってみた。
「にてね~~」

プクゥ~

会社のレイコ先輩のGTRより速い気がした。
金曜日は、レイコ先輩と一緒に首都高走ってた。
もちろん、しょうこのミニカに合わせてくれたけどね
でも、ミニカ速くねって言われてたので運転には自信があった。
でも、もうミニカ廃車………
アタシのストレス発散はどーするんだぁ~

着いた

「会社終わったら迎え来てやるょ。メール入れてな!」

ショボン

「うん…分かった…はぁ…」

「間に合ったし、元気出して~頑張ってな!じゃ」

しょうこは車を失ったショックを今噛み締めながら、出勤のタイムカードを勢いよく通した。