《70-6 ドッグフードの巻》
ようやく仕事にありつけた飛田松五郎。
それは、売れなくて会社が倒産しそうなドッグフードだった。
大変なほど創作欲が湧く男である。
早速、ささっとCMを作り出す。
CM効果は絶大で、売れに売れている。
会社は新社屋を作る勢いである。
飛田は、お礼にドッグフードをたくさんもらい困惑するのだが。
味見のつもりが、止まらない。
どうやら世間も、人間様の方がたくさん食べているようだ。
だが、副作用が出てきた。
犬のような声をあげたり、動きをしたりとおかしな事になってきた。
夜になると遠吠えまでする始末。
評判を聞いて、仕事も増えたが複雑な心境な飛田であった。
昔の映画、リーサル・ウエポンだったかな?
飼ってる犬のドッグフードを主人公が、お菓子のようにポリポリかじってるシーンがあった。
美味しいのかな?
当時はそう思ったが、試そうとはしなかったな(汗)。
小学館「週刊少年サンデー」1970年頃・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「CM野郎」から)