《指令No.36 火星将軍》
火星から飛び立った宇宙船で無事帰還したのは、将軍と称号を与えられた探険隊隊長のみだった。
だが、入院していた病院から突如姿を消した。
その頃、009ノ1ことミレーヌは恋人とスキーを楽しんでいた。
それぞれコースを別に、山小屋で落ち合う約束をしていた。
だが、彼は現れなかった。
捜索に出掛けたミレーヌたちだったが、冬山なのに衣服だけを発見し、不思議がる。
山小屋へ再び向かうと、そこにも他の人々の衣服だけが残されていた。
これはおかしい。
ミレーヌは、武器をさがしに他のメンバーと別れた。
そこで悲鳴が聞こえる。
裸の人々か、心あらずで外から戻って来たのだ。
どうやら将軍の仕業らしい。
裸の将軍は、ミレーヌの恋人も巻き込んで死こそ美しいと言って、それを実践しようとしていると言うのだ。
「死ね、地球人」
と将軍が言うので火星人の仕業なのか?とミレーヌは疑うが。
ミレーヌの銃は、裸の人々の足に全て命中した。
だが、元々彼らは凍りついて死んでいたのだ。
火星の菌が、ゾンビのように体を動かしていたというが、話も出来たというのか(汗)。
とにかく持ち込み厳禁の代物のようだ。
火星開発の際は十分注意せよという、石ノ森章太郎先生のメッセージかもしれない!
双葉社「週刊漫画アクション」1970年1月15日号・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「009ノ1(5)」から)