《指令No.16 クレバス》
氷の上が戦いの舞台だとすると、危険がつきものである。
009ノ1は、敵に奪われたマイクロフィルムを取り返すためにようやく追いつめた。
崖まで追いつめたのだが、クレバスの下に何か異様なものがあると相手が言い出したのだ。
相手は銃を捨て、抵抗はしないと示すと、ようやく009ノ1は、大きな円形のノコギリのようなものが、刺さっているのを見てしまうのだ。
だが、次の瞬間、足元が割れてクレバスに二人は落ちていった。
気がつくと、敵の男に銃を奪われ、連絡しようとしたイヤリングも壊されてしまった。
地球外のものとしか思えないそれは、異様な音をたて始めた。
敵であるはずの009ノ1を守り続ける男。
円盤の中から大きなタコのような生き物が現れたが、彼が持っていた武器によって守られた。
だが、任務は別である。
彼女の奥の手である武器、胸のピストルで相手は、命を落としたのである。
…まぁ、仕方がないとはいえ…(汗)。
双葉社「週刊漫画アクション」1968年11月28日号・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「009ノ1(3)」から)