《指令No.13 砂の城》
砂の城とは、なんと、はかないものだろうか。
砂漠に現れる昔の兵士たち。
武器には最先端の機能が仕込まれ、Dr.エスエフという博士の仕業だという。
天下を奪われたかつての王が、妻と共に再び天下を取ろうともくろむ。
そこに、博士がつけこんできたのだ。
だが、博士の実験が成功し、前進しながらもかつての王は、死者をこのようなことにぞんざいに扱っていいものかと、自問自答し始める。
妻も、夫がいながらタイムマシンで見つけた、昔のイケメンと浮気をしていた。
博士もそれを知り、自分の相手もさせる。
009ノ1は、潜入しながらも、全ての根源であるタイムマシンの自爆装置を押し、自らのノドに剣を貫いて自殺する王を見ているしかできなかった。
双葉社「週刊漫画アクション」1968年9月5日号・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「009ノ1(2)」より)