《指令No.12 魚のでてきた日》
009ノ1は、敵が飛行機で輸送していたケースに入った謎の物質Xを奪うことに成功した。
だが、飛行機は不時着。
海岸で気がついた009ノ1は、そばにケースが無いのに気がついた。
さては、奪った相手に奪い返されたか?
島中を捜しまわって、ようやく彼らを見つけたが、彼らも持っていなかった。
島の人間が手に入れてしまったか?
この謎の物質Xは、物騒なものらしい。
だが、島の人間はつまらないものと認識し、貯水タンクに棄ててしまったという。
中身を知る009ノ1は、島の人に水を飲ませないように警告しなければと動揺する。
やがて見たことの無い魚が、陸へ上がってきた。
脚が生え、不気味な姿である。
そういえば、009ノ1が海に飛び込んだとき、敵の攻撃でケースのふたが開いて、一部が外に出ていたようだ。
ケースを拾った羊飼いも、水を既に飲んだという。
みるみるうちにグロテスクに頭がふくれあがった。
そのまま、魚もその男も死んでしまった。
どうやら急速に進化する薬らしいのだが、体がついていけなくなるらしい。
まだ研究途中といったところか。
進化はゆっくりと、着実に行われるべきである(汗)。
双葉社「週刊漫画アクション」1968年8月8日号・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「009ノ1(2)」)