《指令No.10 パロディ》
009ノ1は、ボスであるNo.0によって、組織にとって大切なマイクロフィルムを運ぶ任務を受けた。
だが、その時、彼女は絵描きの彼氏と幸せなひとときを味わっていた。
自分の名前を偽り、本気の恋を満喫していたのだ。
だが、ボスからの指令を受信する装置の付いたイヤリングが人為的に壊されているのを見つけると、胸騒ぎがして予備の装置でボスに連絡をするのだが、時はすでに遅し。
009ノ1は、ボスから嘘発見器にかけられるほど疑われたが、やがて彼女の眠っている間の記録で、彼であるジムに疑いが向くことになる。
彼の本名は、パロディ。
敵側のサイボーグスパイである。
細胞からそっくりに化ける機能を持った彼は、敵のスパイ組織に潜入できるほど、そっくりに009ノ1に化けることが出来たのだ。
マイクロフィルムを奪い返す事は出来たが、そのために009ノ1は、本当の愛を失わなければならなかった。
009ノ1とそっくりな姿に化けて彼は戦ったのに、なぜ009ノ1に撃たれたのか。
もしかしたら、本当に愛する人に命を捧げたかったからかもしれない(汗)。
双葉社「週刊漫画アクション」1968年6月13日号・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「009ノ1(2)」から)