(創作)とあるオーディション | ネムリ・モヤのブログ

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アートと旅と食を愛す孤高の仮面ライダー好き女

「君は、どこに向かっているんだい?」

「どこって、前のやつに聞いてみなよ」

「話しかけるな、見失うじゃないか!」

先頭のものは、違っていた。

「後ろから、誰かに追いかけられている」

「だんだん、足音が大きくなって、怖くなったんだ」

「とにかく、後ろの物音が聞こえなくなるまで走ろうと思ったんだ」

後ろを振り返る勇気はなかった。

走るのに精一杯だったのだ。

周りで見ていたものは、驚いただろう。

町中でシカがマラソン大会をしているのだ。

ゴールの先では、お忍びのサンタクロースがストップウォッチを片手に待っていたことを誰も知るまい。(終わり)