(創作)飛翔体 | ネムリ・モヤのブログ

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アートと旅と食を愛す孤高の仮面ライダー好き女

いつの時代の学校であろうか。

一人の先生が、黒板に黙々と文字を書いている。

それをまじめに書き写す生徒もいれば、それを面白くないと思う生徒もいるわけだ。

一応、席には座っているのだが、配られたプリントを裏返し、何かを作り始めた。

周りの生徒も気になる様子だ。

(紙飛行機?)

紙飛行機は、先生に標準を合わせ飛ばすのだが、くるりとまわって違う場所に落ちてしまう。

クスクスと笑う生徒たち。

「何が面白い?」

振り返る先生は、何も気がついていないのだろうか。

笑っていた生徒たちは、あわてて勉強していますという顔に戻った。

再び、黒板に向かう先生がいた。

調子に乗った紙飛行機の生徒は、再び紙飛行機を折り始めた。

さっきの紙飛行機とは、少し形が違う。

改良型だろうか?

今度こそ、命中させるんだという気持ちが周りにも伝わる。

さあ、今度はどうだ。

飛ばそうとしたとたん、高速のチョークが飛んできた。

頭の後ろに目がついていたのか?

命中率は、先生の方が上だった。

紙飛行機は、チョークが命中し床に落ちていた。

教室は、違う意味で静かになり誰も紙飛行機を飛ばさなくなったという。(終わり)