一人の先生が、黒板に黙々と文字を書いている。
それをまじめに書き写す生徒もいれば、それを面白くないと思う生徒もいるわけだ。
一応、席には座っているのだが、配られたプリントを裏返し、何かを作り始めた。
周りの生徒も気になる様子だ。
(紙飛行機?)
紙飛行機は、先生に標準を合わせ飛ばすのだが、くるりとまわって違う場所に落ちてしまう。
クスクスと笑う生徒たち。
「何が面白い?」
振り返る先生は、何も気がついていないのだろうか。
笑っていた生徒たちは、あわてて勉強していますという顔に戻った。
再び、黒板に向かう先生がいた。
調子に乗った紙飛行機の生徒は、再び紙飛行機を折り始めた。
さっきの紙飛行機とは、少し形が違う。
改良型だろうか?
今度こそ、命中させるんだという気持ちが周りにも伝わる。
さあ、今度はどうだ。
飛ばそうとしたとたん、高速のチョークが飛んできた。
頭の後ろに目がついていたのか?
命中率は、先生の方が上だった。
紙飛行機は、チョークが命中し床に落ちていた。
教室は、違う意味で静かになり誰も紙飛行機を飛ばさなくなったという。(終わり)