(創作)みんな天候のせい | ネムリ・モヤのブログ

ネムリ・モヤのブログ

アートと旅と食を愛す孤高の仮面ライダー好き女

新作の飲み物の売れ行きが悪い。

飲料会社の営業マンは、天候のせいだと思った。

同じように考えたものはいるものだ。

新作のレインコートを考案したデザイナーは、これも天候のせいだと思った。

営業マンは、太陽と同じ機能を持った丸い球体を、とある発明家から購入した。

デザイナーは、雨と同様の成分の液体を製造する機械を、とある発明家から購入した。

営業マンは、営業先で球体を、空に打ち上げて売り上げを伸ばした。

デザイナーも、行く先々で機械を作動させた。

驚いたのは、天気予報士達だった。

予報が当たらない為、異常気象といいわけをした。

一番得をしたのは、二つの発明品を作り出した発明家だった。

「賞なんかをもらうより、ちゃんと使ってくれる方がうれしいわい」

とはいえ、一番迷惑だったのは、何も知らない人々なのかもしれない。

なぜなら、天候のせいだと思っているものだから。(終わり)