目の前に、真っ白なかたまりがあった。
おなかがすいていたので、思わずそれをつついてみたが、雪ではないようだ。
そこに、女神が現れてこう尋ねた。
「あなたが欲しいのは、砂糖かしら?
それともジャムかしら?」
「僕は、何もいらない。
いるとしたら、スプーンだろうか」
「そうですね、出すのをすっかり忘れてましたわ」
そういうと、あわててキッチンに戻る妻の後ろ姿を眺めている。
今日は、ヨーグルトだったが、食材は変われど、わが家の女神は、少し選択肢のずれた質問を毎日僕になげかける。
いつまで、笑っていられるかな。
…僕の中の勝負だ!(終わり)