この作品も、第三次世界大戦を起こしてはならないという、根底的には変わらない意思が、存在する。
作者が同じなのだから、同じようなメッセージになるのは仕方がないと思う。
私自身も、題材など同じようなテーマでショートショートを書いてしまうことがある。
石ノ森章太郎氏も、数年間あけて描かれている。
第三次世界大戦が起こった場合、どうすればよいのか?
賢い二人の博士は、次の二つの方法でなんとかしようとするのだ。
逃げるためのロケットを作る。
人間の脳に闘争本能を無くす電波を流す…ちょっと、危ない(汗)。
こんど、戦争が始まったら、関係ない国まで巻き込んでしまう。
核戦争ありきである(汗)。
そんなアイデアに、興味を示すのは自分達の国ばかりではない。
どの国も、助かりたいのは同じである。
平和を願う博士たちは、命がけで発明を守ろうとする。
「人類を滅ぼしてはいけない!」
その言葉にすべてがこもっている。
小学館 『週刊少年サンデー』
1960年10月23日第43号~10月30日第44号 初出。
(講談社『石ノ森章太郎 デジタル大全』より 『赤いトナカイ』から「悪魔のフィルム」を読んで)