(過去作品)家②{アメーバ仕様} | ネムリ・モヤのブログ

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アートと旅と食を愛す孤高の仮面ライダー好き女

【続き…】



「お父さんの後ろから、ちゃんとついてくるんだよ」

しばらくして、お父さんは、いいました。

こんなとき、りっぱなお父さん。ふだんは、いるのかいないのかわからないのに。テレビに出てくるヒーローみたいだと少年は思った。

「ねえ、あの森に行こうよ。だれかいるかもしれないよ」

少年が指さしたのは、あのさわがしい森でした。


少年たち家族がすすむさきには、一本の細い道がありました。それは、白くて、まっすぐな道なんです。

ところが、三人が通りおわると、その道は、森の入り口からくるくるとまかれ、一わの白い鳥のおしりに集まっていったのです。つまり、それは、その鳥の尾だったというわけなんです。

三人が歩いてきたところには、もう木々ばかりでほかには何もありませんでした。歩いてこれたのが、ふしぎなくらい深い森です。

そこには、さっきの鳥だけでなく、たくさんの枝から、たくさんの鳥が、家族のようすをうかがっています。

「こんな遠いところに、よく来ました。ゆっくり休むことができる場所に、おつれしましょう」

さっきの尾の白い鳥のそばには、大きな緑の鳥。その鳥は、人間の言葉をしゃべりました。いぜん、人間にかわれていたのでしょうか。

三人は、ついていくことにしました。

鳥のすぐうしろをついていったのは、少年。そのあとに、お母さん、お父さんとつづきました。

お父さんは、むちゅうになってめずらしい鳥にカメラを光らせながらとっていきました。くらい森のはずですが、目がなれてきたので、お父さんだけでなく、ほかの家族も、森の中がよく見えていました。

道はやはりないらしく、白い鳥が先に行って尾をのばさなければなりませんでした。



【10月25日夜ブログに続く…】