僕が
初めて
お金をもらった日




食事の後、店を出た

彼女は
そのホテルに
宿泊していたらしい

エレベーターで
上の階へ


エレベーターから
近い部屋の前で
彼女は止まり
僕を見た


『この部屋、入って』


高級ホテルに
似合わない
ボロボロの僕

絨毯も
汚れないか
気が気じゃない


すぐに部屋に入ると
彼女は
ドアを閉めた

カチャン

ドアの音が部屋に響き
僕はドキッとした


部屋は
ツインで
ベッドが2つ

彼女の荷物が
無造作に置かれていた


『誰かと一緒?』
不意に僕は彼女に聞いた


『ううん……、一人…』


何故、高級ホテルの
ツインルームに
一人で泊まるのか
僕は全くわからなかった


とりあえず
落ち着かない僕は
彼女から
離れて突っ立ていた


彼女が
ゆっくり近付いてきて
僕の腕を
掴んだ


『綺麗な顔…』


そう囁いて
僕の顔を左手で
撫でた


ドキドキしてる僕の唇を
彼女は
彼女の唇で塞いだ



僕が
初めて
お金をもらった日




突然謝る彼女に
どうしていいかわからない僕


とりあえず

『なんで謝るの?』

と聞いてみた


彼女は
少し笑って

『突然ナンパしたから』

と言った


僕は笑った

『え、ナンパだったの?
誘拐じゃなくて?』

と少し
ふざけながら
彼女とご飯を待った




僕は
本当はイロイロ
聞きたかったが
聞いてはイケない気がして
彼女を
ずっと見つめながら
彼女の話に
耳を傾けた


食事しながら
彼女の白い腕が
色っぽくて
口元にフォークを
持っていくしぐさに
ドキッとした


勝手に一人で
ドキドキしていたら
彼女が

『今日…
一緒に居てくれない?』

と僕の目を見ずに
臥せ目がちに
小声で言った


僕は悩んだ
見ず知らずの
ナンパ女と
一緒にって
どーゆー事だろうって
まさかホテル?
いや、先走って
カラオケ?
それとも…お持ち帰り?

たった1分
いや10秒
考えて


何にも答えが出ないまま

『いいよ』

と答えた僕



僕が
初めて
お金をもらった日




彼女が歩いていってしまい
僕は
夢でも見てるのかと
思った


しかし…
僕は
何も考えず
彼女を追っていた


ついていくと
彼女は
かなりの距離を歩き
ホテルに
着いた

(あっ高級ホテルだよ)


『ステーキにする?
中華にする?』


僕は何も答えないまま
つったっていたら

『ま、お肉のがィィね』

と答えを待たずに
彼女が僕の
腕を掴み
ホテルに連れ込んだ(笑)


ボサボサ頭で
ボロボロの僕は
かなり
みっともなかっただろう


彼女は
全く気にしてない


席に着くと
彼女がなれた口調で
オーダーをする

僕は挙動不審で
キョロキョロしていた

彼女が
『ゴメンね…』と
言った