25年ほど前ですが米国オハイオ州デイトンの米空軍博物館を訪れました。

 

工事中の入口

 

 

偶然ですが設立50周年でした。

 

50周年記念バナー

 

 

或る展示物に八木アンテナが付いていました。通信関連の技術者には、お馴染みの物です。

きっと八木アンテナは多くの人も見たことがあると思います。テレビや防災無線などにも使われている魚の骨の様なアンテナです。

その展示物とは「リトルボーイ」と「ファットマン」の模型などです。

左はリトルボーイ

右がファットマン

 


その模型の側面に八木アンテナが付いていました。

 

ファットマンの

アンテナ


リトルボーイの

アンテナ

(曲げないでくれ~)

 

 

 

 

ボックスカーの機首

 

 

東北帝国大学時代の八木秀次博士の名前が、この八木アンテナの名称の由来です。

八木さんが、このアンテナの開発に繋がる現象を見出し、宇田さんと共に種々の測定実験を行いデータを取得し実用化して特許を取得したそうです。

海外の論文誌に英文の論文が掲載され、亜細亜太平洋戦争中には英米で兵器に使用されました。


当時の八木アンテナの用途はレーダー用が良く知られていますが「リトルボーイ」と「ファットマン」の起爆高度制御にも使われました。

この事については。個人的に技術屋としてとても残念に思います。


しかしながら、この例に限らず物理現象の発見や技術の開発結果は、それに携わった人たちの意思には関係なく使われる事が多々あります。


例として核物理関連の物理現象から、各種の爆薬、CPU、GPU、ソフトウエア等々まで平和利用が可能な物ばかりですが兵器にも使われています。

何とも、やり切れません。



蛇足ながら展示は他にも多く在りましたが、説明はどれも客観的かつ中立的でした。

 

これからも、これらとその末裔たちが兵器として使われない事を願っています。

 

 

 

なお現在は25年前のボックスカーとファットマンなどの展示は模様替えされています。

 

Wikipedia で最近の様子が見られます。