映画レビューブログはキネマトグラフアナトミア
世間的には殆ど知られていないアクション俳優ゲイリー・ダニエルズ。
一般的に知られている作品で言うと
・ジャッキー・チェンの「シティーハンター」でジャッキーとタイマンしてた人。
・「エクスペンダブルズ」でジェット・リーとジェイソン・ステイサムにボコられた人。
というイメージだろうか。
※スタローンとの2ショット
思い返せば
・実写版「北斗の拳」でケンシロウ役
・「シティハンター」でストリートファイターのケンのコスプレ
・実写版「TEKKEN -鉄拳-」でブライアン・フューリー役
となにかと漫画とゲームにゆかりのある人だ。
※ブライアン・フューリー役
彼の作品で未見の出演作をまとめて観てみた。
(正確には未見ではなかったり、主演ではない映画もあるが)
断っておくが、日本でもまともに公開されていなく、DVD化もされない映画なので
クオリティは低いよ。
■Full Impact
93年の映画。
ゲイリー・ダニエルズの若かりし頃の作品。
といっても1963年生まれのようなので30歳だけど。
ゲイリーはキックボクサーからの転向で、俳優のキャリアスタートが遅かった。
同年にジャッキー・チェンの「シティハンター」で悪役で出演しており、売り出し中の時期。
ダニエルズが良く動けるのだけど作品自体はまるで学生が製作した映画のようで
垢抜けないし、演技だるいし。
動きのいい役者もいっぱいいるのだけど殺陣が単調過ぎで飽きる。
だから82分の作品なのに2時間越えに感じる。
ベストバウトは冒頭の黒人キッカーとの対決。ダニエルズよりもポテンシャルが高い。
この黒人リアクションのアクロバットが出来る。
95年の映画。
ゲイリー・ダニエルズ扮する高校教師が何故か大立ち回り。
理由なく事件に巻き込まれるが。この先生何故か強い。
ノンストップアクションで90年代のゲイリー作品らしく
カーチェイスやビル宙つりなど大掛かりなアクションが用意されているのだが
いささかアクション主題で展開を後付しているのでアホ臭い。
格闘場面におけるゲイリーの動きはいいけど、殺陣に工夫がない。
■RIOT
96年の映画。
むかしTV放映の深夜枠で「メガロ/人質奪還指令」として放映されていたので
VHSに録画して見た経験がある。
冒頭のクリスマスソングをバックに暴動が起きているのは中々のセンスだけど
ゲイリーがだらだらと雑魚キャラ相手に戦うのを見るだけ。
冒頭のバーで草野球チームとの戦いだけはいい。
殺陣がよく練られているし、相棒であるシュガー・レイ・レナード!とフェイリーが
複数名をボコボコにするくだりは最高。
とくにシュガー・レイ・レナードがボクシングスキルで戦うが、とても絵になる。
ラストはセガール、ヴァンダム、ブルース・ウィリスとも戦った
パトリック・キル・パトリックとゲイリーが戦うが実にあっけない。
ゲイリーのポテンシャルは見れるので初級者にはおすすめか。
■Hawk's Vengeance
96年の映画。
ゲイリーが臓器売買シンジケートと戦う。
96年頃は香港系映画人たちが評価され、こぞってハリウッドに進出していた時期。
その余波か中国系の俳優が大挙に出ている。しかし中国系アメリカ人のようで無名ばっかり。
コナン・リーやユン・ピョウあたりとゲイリーが競演していればそれなりに関心持てたけどね。
アクションのテンポがゆるい。ワンカットで収めているのは好感持てるんだけどね。
■FIREPOWER
93年の映画。
これはゲイリーが主役ではない。
スティーブ・マックイーンの息子チャド・マックーンが主役。
このチャド・マックイーンが本当に駄目でね。
アクションがとにかく下手。
絵を引っ張るのはゲイリー・ダニエルズ。
シティハンターの勢いそのまま。長髪で生意気な役柄がゲイリーには一番ぴったり。
開脚、筋肉、旋風脚、バク宙、開脚蹴り、ポテンシャルの高さはぴか一。
武闘大会のお話だが、この大会のシステムとして途中から武器が投入される。
色々な武器による殺陣が見れるから、飽きないけどね。
■Fist of the North Star
95年の映画。
実は未見である北斗の拳の実写版。
劇中にダラダラと続くケンシロウらのぼやきは見ていて辛い。
リアルハンドスピードだと、‘あたたたた’が猫パンチみたい。
せめてドニー・イェンのイップマン位のハンドスピードがありゃ。
いい点はラストの複数相手の乱打戦。
ここだけゲイリーの技が光っていた。
何気なく豪華な俳優の布陣だよね。
マルコム・マクダウェル、クリス・ペン、ダンテ・バスコ
以上、ゲイリー・ダニエルズの未見映画まとめでした。
彼は90年前半にPMエンターテイメントからポストヴァンダムとして売り出されていたけど、作品に恵まれなかった。
アクションのポテンシャルは高いにも関わらず、優れたコレオグラファーやパートナーに巡り会えなかったのも不運か。
事実、呉思遠(ウン・スーユェン)の「Bloodmoon」やアイザック・フロレンティーンの「Cold Harvest」といった優れた演出家と組んだ作品はゲイリーのベストワークであった。
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