映画ファンならご存知の「ヒート」。
監督マイケル・マンでロバート・デ・ニーロとアル・パチーノという巨頭同士を対決させた映画。
他にもヴァル・キルマー、ジョン・ヴォイド、トム・サイズモア、ダニー・トレホ・・・
と男気満々の映画。
さて、そんな「ヒート」のオリジナル。「メイド・イン・L.A.」を鑑賞した。
面白い!正直「ヒート」よりも傑作だと思った。
「ヒート」は当時円熟期にあったデニーロ、パチーノの熱視線演技で重厚な雰囲気を醸し出していた。
しかし、スプリクト面において疑問に思う点があった。
・いい年こいた中年オヤジが若い身空の女性と逃避行する。
>>なんてロマンチスト主義なんだ。
さて「メイド・イン・LA」では主演二人が若い。30歳前後の設定か。
ロス市警のヴィンセント役、スコット・プランク
強盗団のボス、パトリック役、アレックス・マッカーサー
もうこの二人がかっこ良すぎる。
スコット・プランクなんてロックスターみたいだし、
アレックス・マッカーサーは陰のある雰囲気を醸し出し、アラン・ドロン風だ。
堅気の女性とアレックスが恋に落ちるが、こんなルックスなら女性に惹かれるのも無理もないだろう。
リメイク版では、デニーロに女性がついて行くが、オリジナルではあっさり別れてしまう。
オリジナルの展開の方がしっくりくるし、失うものがなくなったアレックスが裏切り者へ報復に出向く展開も合点がいく。
パトリックとアレックスが再会する場面で、アレックスが僅かに微笑む表情が堪らなく好きだ。
そして予期しないところで、あっさり撃たれるアレックス。
リメイク版は色気出しすぎだ。
それにしてもここまでオリジナルとそっくりなリメイクも珍しい。
スプリクトだけでなく、撮影シーンまでそっくり。
これはおそらく、当時絶頂期にあったデニーロとパチーノを共演させるのに、時間の制約などがあったと想像する。
とすれば「メイド・イン・LA」を関係各位に見せてそのまま撮影した方が、効率がいいし、方々も納得したのだろう。
オリジナルである「メイド・イン・LA」を撮りあげた頃の、マイケル・マンのギラギラ感が十二分に伝わってくる作品だ。