イメージをお借りした
妄想のお話です
BLです

ご理解いただける方のお暇潰しになれば…
m(__)m




〈出会い〉




「ここは?」

今日、リュウがショウを案内したのは…

常設ではない、
臨時で建てられたらしい芝居小屋


今で言うテントのような
簡単な布で囲まれた空間に
舞台といえど板を張っただけで

客はゴザ一枚ひいた上に
腰を下ろしている



それでも
既にたくさんの客がひしめいて
開演を待っています


「最近、凄く評判のいい
噂の一座なんだよ…
いろんな出し物があってさ
剣舞、群舞、どれもいいけど、
やっぱり一番人気は、看板の舞姫がいるんだってよ?」

ワクワクと楽しそうなリュウに

ショウは納得できない様子


「はぁ?女が舞うのなんて、
な〰️んも珍しいこともねぇだろ…どうせ男どもがスケベな気持ちで喜んでるだけじゃねぇの?」



と。ショウが言い放って見回した客席には
意外なことに
老若男女、あらゆる顔が並んでいました


「まあまぁ…せっかくだし、
ちらっとでも見て行こうよ…」

ポンポンとリュウに肩を叩かれても
ショウはまだ、憮然としています



(女の舞いなんて、城で見飽きてる……)

と言おうとしたショウだけれど

「…あ、ほら❗噂の舞姫登場だ🎵」


リュウの指差す方に目をやったショウは
その言葉を口からだすことは
叶いませんでした


いや、どんな言葉も声も
発することはおろか
呼吸の仕方さえ忘れたかのように
動けなくなってしまいました


そして
せっかくの様々な演目の間も
リュウが話しかけても

上の空


舞姫の美しい立ち姿が
頭から離れません



そしてついに


最終演目である
舞姫の演技が始まると


まずは


城で
様々な出し物を見てきたはずの
ショウでも
見たこともないような滑らかな動き
かと思うと
激しく大きく跳躍して息を飲む



今まで
城には王族たちを楽しませようと
あらゆる舞踏家がやって来た

王の前で直々に披露を許された者たちの演技は
どれも素晴らしかった

けれど


初めて城の外で見た
今、目の前で舞う
その姿は


胸ぐらを掴まれて、
ドンドンと叩かれるような

それでいて

観ている者の気持ちもふわふわと
軽く舞い上がるような





幼少時から、様々な芸術に慣れ親しんだはずの
ショウにとっても

生まれて初めての感覚でありました……




♪透明よりも綺麗なあの耀きを
確かめにいこう
そうやって始まったんだよ
たまに忘れるほど強い理由