「人は、誰かに迷惑をかけながら生きている」
この言葉に、あなたはどう感じますか?
日本では昔から
「人に迷惑をかけてはいけません」と教えられてきました。
インドでは
「人は生きているだけで誰かに迷惑をかけるもの。だから他人のことも許してあげなさい」と教えられるそうです。
同じ「迷惑をかける」という行為でも、その解釈は国や文化によって違いがあり、
昭和の日本の躾が、本当によかったのだろうか
と考えさせられました。
昭和時代に育った私は、親からよく
「人に迷惑をかけるな」と言われて育ちました。
子どもだった私は、「何が迷惑になるのか」すらわからないまま、
「これは迷惑かな?」「やったら嫌がられるかな?」
と常に周りの目を気にするようになりました。
先に「迷惑じゃないかどうか」を気にする癖がつき、
自分のやりたいことよりも、まず他人の気持ちを優先する。
それは、大人になっても変わりませんでした。
「お願いしたら迷惑かな」
「こんなこと頼んでもいいかな」
そう思うたびに、結局は自分で何とかしようと抱え込み
頼れない。甘えられない。我慢してしまう。
今になって気づきます。
「迷惑をかけてはいけない」=「人を頼れない」になっていたんだと。
でもその当時の私は、そんな自分の苦しさにも気づけませんでした。
私は今、高齢者と関わる仕事をしています。
そこで耳にするのが、
「子どもたちに迷惑をかけたくない」
という言葉。
年齢を重ね、体力や気力が衰えていく中で、
本当に誰にも迷惑をかけずに生きることは可能でしょうか?
高齢者だけではなく、人は誰かに迷惑をかけながら生きている。
それなのに、「迷惑をかけてはいけない」という呪縛が、多くの人を苦しめているように感じます。
誰にも迷惑をかけずに生きようとすれば、
自分の中にある「できること」「言いたいこと」「求めたいこと」を、
少しずつ削り取っていくことになります。
「もっと頼っていいんだよ」
「助けを求めていいんだよ」
そんな言葉を、周りの人がかけていけるようになれば、
「迷惑をかけても生きていていい」
と思える社会が広がっていくはずです。
迷惑をかけることは、悪いことではありません。
それを受け入れ合えることが、人と人とのつながりではないでしょうか。
「誰かを頼ってもいい」「一人で頑張らなくていい」
そんなメッセージを伝えていけたらと願っています。

