次の日、いつも通りに学校へ登校した俺はSHRでとんでもないことを聞かされる。
担任「急な話だが、うちのクラスの小鳥遊 飛鳥が学校を辞めることになった。あまり目立たない子だったが、1年以上同じクラスだったし、小中と同じ奴もいるだろうからみんなで寄せ書きを書こうと思う。いいか?」
飛鳥は好まれてはいなかったけど嫌われてもいなかったから反対する人はでてこなかったが、なんの理由もなく突然辞めた飛鳥にみんな不信感を抱いていた。
「仁は仲良かったろ?なんか聞いてねえのか?」
そう尋ねてきたのは学級委員の金子 慎太郎だった。
仁「んー、昨日俺の家来る予定だったのもすっぽかしたから知らねー」
俺はこのとき少し腹立たしかった。予定を何も言わずにすっぽかすことは今まで1度もなかったからだ。それにもう何年も同級生をやってきたのに一言もなしに辞めたのが正直悔しかった。
その日1日はずっと憂鬱でつまらなかった。飛鳥の家に行ってみよう。そう考えていた時、俺の横を通りがかった車の窓に目がいく。
仁「飛鳥だ。」俺はUターンをして必死にペダルを漕ぎ後を追った。なぜだかわからないけど身体が勝手に反応した。一瞬だけ見えた飛鳥の目には涙がこぼれていた。
だけど車に追いつくことが出来るわけもなく、すぐに見失ってしまった。車自体は飛鳥の母親が愛用しているBMWだから誘拐などではないだろうが、何だかとても嫌な予感がしている。追うのを諦め家に帰ると、母さんがいつものように夕飯をつくっていた。
母さん「おかえり、もうすぐご飯できるからね。」
仁「飛鳥が急に学校やめたんだ。なんか知ってる?今もそこで泣いてる飛鳥を車にいるとこチラッと見かけたんだけど」
母さん「さぁ、なにかしらねえ、またお引越しでもするのかしら。」
俺は眉間にしわを寄せ母さんをグッと睨む。なにらかに何かを隠していた。母さんは嘘をつく時かならず「さぁ、なにかしらねえ」と言う。嘘をつく時はだいたい俺のためのことが多かった。小学4年の頃、俺が友達と喧嘩をし怪我を負わせた時2時間も電話に向かいすいませんでしたと謝っていた。怪我をした友達の母親はいわゆるモンスターペアレントで前にも担任が精神的にやられ辞職した事があった。電話が終わりどうしたの?と聞くと
母「さぁ、なにかしらねえ、オレオレ詐欺かしら」
嘘が下手すぎると言ったら嘘なんかついてないとなぜか怒られた。
仁「飛鳥は俺にとって大事な友達なんだよ。何かしってんなら教えてくれないか?」
問いただす俺に諦めたのか母さんはゆっくり口を開いた。
母さん「明日、鷹蔵総合病院に行ってみなさい。」
そこに飛鳥がいる。そんなこと言うまでもなかった。