ウォッチメンズ⑤
自信を持って言えることがひとつだけある。
「私達は働き者だ」
休まる時間があるとしたら、それは仲間が代わりに働いてる時。
または働き過ぎ、我が身がボロボロになって捨てられた時…
うまれた時には私達の運命はもう決まっている。生涯行ける場所は三ヶ所だけ。うまれた場所、引き渡される場所、働く場所。それが私達の宿命。
人生の半分以上はひたすら御主人様に御奉仕し、忠義を尽くすだけ…でも私はそんな自分の人生を呪ってはいない。
なぜなら幸いにも私の御主人様は比較的優しいほうだから。
大事に扱ってくれている。仲間も作ってくれた。
何より私達を必要としてくれている。
こうして穏やかに緩やかに毎日が過ぎ、来たるべき人生の審判の日には笑顔でみんなに別れを告げられそうだ…。そしてわたしの死に顔はきっと微かな優しい微笑みとたくさんの白い薔薇に包まれるの…。
「なに感傷に浸ってんの?」
笑いながら仲間が言ってきた。
いけないいけない、妄想は私の悪いクセ。
「ううん…、私って幸せだなって」
「相変わらず妄想?そんなことより働きなさい」
クスクスと笑いながら仲間は言った。
そう、最近めっきり御主人様へのお勤めが減ってしまった。
若い仲間がたくさん入ってきたことや、御主人様も歳を重ねるにつれ好みが変わってきたこと…。だから古株の私が飽きられてきてるのも解るけど…。
「大丈夫、ちゃんとまた御主人様から御指名あるから」
気遣ってくれる仲間にそう慰められると逆に惨めな気持ちになる…
話しを変えようと私は切り出した。
「…そうね。私もきっとまたお勤めあるわよね。そういえば今日のお勤めは誰かしら?」
「…えっと今日は……、あの子もいるし、あの子もいるし… うーん……、あの子もいる…。 あれっ、みんないる!」
「そんなはずないよ、お勤めがいないなんて!」
「おかしい…、でも確かにみんないる!こんなこと今まで一度もなかったのに! どういうこと?!」
会話を聞いていた周囲の仲間の間でざわめきが起こった。
(どうなってんの?)
(御主人様は?)
(誰も御指名がないなんて…)
しかし私達に解る術はない。
誰かが言った。
「御主人様が帰ってきたらわかるからみんな落ち着きましょ」
「…そうよね、何が訳があるのかもしれないし。帰りを待ちましょ」
「きっとみんなが知らない新入りがいるのよ」
パンティー達がヒソヒソ噂話をしてる頃、従者を忘れた御主人様が秘部を爽やかな朝日の下に晒していることなど、彼女達は知る由もなかった…