秋は月に恋をする②
嗚呼、そうさ…
本当に窮地だった。
例えると我慢してた尿意に堪えきれず、電車内で禁を失なっちゃう感じ?
おっと、そこまで行くとピンチと言うよりアウト、っていうか試合終了かもね。
Speak in Englishだと、「Game Over,don't you?」みたいな?
haha!
まあ実際、スレスレの所でGame Overは回避したよ。
普通ならさ、転倒したらノタ打ち回った挙げ句、ヨレヨレになって起こす作業に移るじゃん?
なすがままってか、静止するまでそもそも制御不可だからね。
でもそれって、文字通り地べたを這いつくばるルーザーの諸行で、全くもって“クール”じゃないわけ。
僕に言わせるとね。
そこがトーシロと僕の差だね。
そりゃ転倒して10mはマシンと一緒に横回転しながら地面を引きずられたよ。
けど回転ってさ、遠心力がつくじゃん?
普段以上の力が「オノレ」に宿るっていうか。
だからそれを利用して滑りながら、竜巻旋風脚みたいにマシンを起こしたのさ。
下、左下、左+Kの連打でね。
まあ自慢のリーバイスが右半分、チャイナ服みたいにスリッドになったのは泣いたけどね。
でもこの一つの判断、一つの小さい一歩が人類には大きな一歩だと思うぜ?
たださ、さらに奇跡が起こったわけよ。
それもとびっきりにマーベラスなヤツ。
バイクもろとも立ち上がってビタっと仁王立ち風に止まってさ。
それがちょうど赤信号で「止まれ」の位置だったってわけ。
歩行者から歓声が上がったね。
みんな笑顔でさ。
あのマブイ女を見たら同じように笑顔でこっちを指差してた。
YOU WIN!
ありゃ口説けば簡単に落ちる感じだったね。
「ピンチはチャンス。」
昔の人の言うことは本当に的を得てるってもんだ。