入学式を終えたのだろう。
真新しいランドセルと真新しいワンピースの子供たち。スーツ姿のママ達が、はしゃぐ子供達へ「静かに!」と言いながらランチを選ぶ。
そんな眩しいピンクのテーブルの真横で、セックスを「したい」か「したくない」かとアマウツシの男性から問いかけられる。

母であり妻であった時は「したくない」だった。
離婚し好きな人との出会いで「したい」に変わった。
でも、もう好きな人にはあっさり振られた。

平日の日中、母と子たちの背景に、仕事を頑張る父の姿が浮かぶ。
アマウツシの男性の日常、家族、人物の背景を知らない。この世界には法律がある。たった数回のセックスで「訴える」の言葉に怯えた友人達の悩みを聞いていた。
アマウツシの男性は
『心にコントロールされてはいけない
感情はノイズである
好きはいとも簡単に嫌いに変換し、
愛するは、突然、憎しみに変質してしまう』
と続ける。
「できる」か「できない」かの質問に、私をあっさりふった彼とは、「好き」という感情で、どんな背景の彼でも「できる欲望」に達していた。
それが、あっさり振られたことで、あっさりその次へのステージは終わった。残された「したい体」に、感情はノイズだと知る。
「あなたを輝かせたい」というアマウツシの男性の言葉には「体から」というメッセージも感じられた。
私も知っていた。
体というのは、私の「子宮」から輝くことを。
アマウツシの男性は、ランチの後の「ラブホ」の提案をした。
ドキドキしながらも「行く」を選択した。
決して「誘われた」からではなく「したい体」で「ラブホへ行きたい」を自ら選んだ。
「行く」をアマウツシの男性に伝えるとき、既にベットの上の瞳だった。目の前の男性に甘える瞳で返事をしていることに、自分でもドキッとした。