キッチン常夜灯。シェフの城崎恵(けい)と接客担当の堤千花は、訪れる人に前向きに生きる力を与えてくれます。シリーズ第4巻の主人公は、シリウスで初めて女性店長となり、40代半ばを迎えた鳥羽いつきです。

 

会社の「女性活躍」方針のもと、女性という理由だけで昇格していく多くの後輩たちを前に、いつきは複雑な思いを抱きます。彼女たちは自分より10歳以上も若い。私は方針が打ち出される前に、たたき上げで店長になったのに――。私はもう不要なのだろうか?若い男性社員のモチベーションは下がっているのでは?かつて店長を務め、異動させられた男性の先輩たちのノウハウも活かされていないのでは?

 

そんな迷いを抱えたまま、偶然キッチン常夜灯を訪れたいつきは、3巻の主人公・森久保かなめと出会います。10歳以上年の離れた彼女が、不安を抱えながらも懸命に働く姿に心を動かされるのです。年齢の差を理由に壁を作っていたのは、自分自身だったのではないか――そう気づかされます。

 

やはり直接会って、会話し、認めるべきところは認めることが大切なのだと実感します。その後、2巻の新田つぐみ、1巻の南雲みもざとも意気投合し、いつきの心にも再びモチベーションが芽生えていきます。

 

常夜灯の温かな雰囲気は、そんなきっかけを自然に生み出してくれるのです。恵と千花の人柄、美味しい料理、そしてそこに集うお客さんたちの温かさ――こんなお店が本当にあったらいいのに、と羨ましく思います。いつきたちのように、ふらりと立ち寄る勇気を持たねば、とも感じました。

 

このシリーズは、女性たちの内面の声に深く共感でき、「自分だけがくよくよしているんじゃない↷」と励まされます。読むたびに活力をもらえる作品で、これからも長く続いてほしいと願っています。