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∂ジェット旅客機操縦完全マニュアル パイロットはコクピットで何をしているのか?
(SBビジュアル書籍)
by 中村 寛治 (著)
∂解説
ボーイング787の操作とシステムを徹底図解
「ジェット旅客機の操縦マニュアル」といえるのが「飛行機運用規程」です。本書は、この飛行機運用規程をベースに、出発準備から到着まで、コクピットでジェット旅客機のパイロットがどのように操作しているのか、パイロットの操作で機体のシステムがどう作動するのかについて解説します。また、離陸時や着陸時の注意点、燃費が最良となる巡航高度や巡航速度の決め方、飛行重量と重心位置の関係や、それらの決定方法も説明します。
∂ボーイング787 ドリームライナー
Boeing 787 Dreamliner
ファーンボロー国際航空ショー にて (2010年)
- 初飛行:2009年12月15日
- 生産数:975機(2020年6月)
- 生産開始:2006年
- 運用開始:2011年10月26日
- 運用状況:運航中
- ユニットコスト:
787-8: 1億8,520万USドル(2010年)
787-9: 2億1,810万USドル(2010年)
■序章 操縦席に座ってみよう
旅客機のフライト・フェーズ(飛行段階)
ジェット旅客機の操縦舵面
ボーイング787の操縦席
column 01 機長と副操縦士
■第1章 プリ・フライト(飛行前)
出発準備のパネル設定
IRS Selector……ON
慣性基準システム(IRS: Inertial Reference System)
エア・データ基準システム(ADRS: Air Data Reference System)
STATUS……CHECK
FMS(フライト・マネジメント・システム)……SET
機長と副操縦士の出発準備操作
IRSとADRSのデータの流れ
column 02 PFとPMのCDU操作手順
■第2章 エンジン・スタート
搭乗開始
テイクオフ・ブリーフィング
エンジン・スタートの準備
油圧パネル…… Set
油圧パネル
燃料パネル…… Set
燃料パネル
エンジン・スタート
START Selector……START
FUEL CONTROL Switch……RUN
エンジン・スタート・システム
ジェット・エンジンの各部名称(Trent 1000A)
EICAS(Engine Indication and Crew Alerting System)
ディスプレー
column 03 操縦席と地上整備士のコミュニケーション
■第3章 テイクオフ(離陸)
タクシー
APU selector……OFF
Flap lever……Set take off flaps
フラップ
フラップの役割
Flight Controls……check
操縦輪を左に回すと
テイクオフ(離陸)
STROBE LIGHT……ON
LANDING LIGHT……ON
TO/GA switch……Push
80knot……CHECK
エンジンまでの燃料の流れ
Call……「V1」
離陸推力の設定
Call……「ROTATE」
Call……「POSITIVE」&「GEAR UP」
離陸速度V1・VR・V2
離陸距離と必要離陸滑走路長
ボーイング747-200の計器とPFD
離陸時のPFD フライト・モード表示
column 04 コール・アウト
■第4章 クライム(上昇)
クライム(上昇)
Call……「AFTER TAKEOFF CHECKLIST」
離陸から上昇へ
Autopilot……Engage
AFDS
(オートパイロット・フライト・ディレクター・システム)
オートパイロット
ALTIMETER……「Transition、Set & Crosscheck 」
アルティメタ・セッティング(高度計規正)
気圧高度計の原理
CHECK……Climb Speed
上昇方式(250 KIAS/310 KIAS/.850M)
Call……「1000(FEET) TO LEVEL OFF」
上昇角と上昇率
最適高度
column 05 パイロットとオートパイロット
■第5章 クルーズ(巡航)
クルーズ(巡航)
FLIGHT MODE……Check
TEVC(Trailing Edge Variable Camber)
揚力と抗力の関係
巡航方式
ステップ上昇巡航
ステップ上昇のタイミング
経済巡航(ECON: Economy Cruise)
バフェット・マージン
ETP(Equal Time Point)
運航飛行経路の制限とドリフト・ダウン
急減圧による緊急降下
携行しなければならない燃料量
column 06 燃料管理
■第6章 ディセント(降下)
ディセント(降下)
T/D(Top of Descent Point)……Check
Leaving 370
降下方式
QNH……「SET AND CROSS CHECK」
SPEED BRAKE&AUTOBRAKE……「SET」
「TURN RIGHT HEADING 120」……ATC
旋回
column 07 積乱雲
■第7章 アプローチ&ランディング(進入と着陸)
アプローチ&ランディング(進入と着陸)
「Cleared for ILS runway 34R approach」
自動着陸(オートランディング)
ILS(計器着陸システム)
進入中の力の釣り合い
参照着陸速度(VREF)
滑走路進入端から接地まで
Call……「SPEED BRAKE UP」
Call……「60 Knots」
接地から完全停止まで
Call……「Go Around」
「Request C7」
column 08 なぜオートテイクオフがないのか
■第8章 ウエイト&バランス
(飛行重量とバランス)
ウエイト&バランス(飛行重量とバランス)
ペイロード/レンジ
耐空性が求められる重量
基本となる機体重量
運航の基本となる機体重量
離陸が許される重量
重心位置と水平尾翼
重心位置とスタビライザー・トリム
重心位置の算出方法
空力平均翼弦(MAC: Mean Aerodynamic Chord)
column 09 ウエイト&バランス・マニフェスト
∂読者レビューより引用・編集
写真や画像がふんだんで、マニア向けのマニュアルかなと思いきや、きっちり飛行機運用規定に基づいた内容で、まさに今資格試験目前のパイロット候補生にも読んでもらってみたところ、とても役立ったようでじっくり読み込んでいる。
ANAの方が書かれているので、機種も基準も限定されているものの、コックピットで何をしているの?という疑問を解消するには十分すぎる、いや詳しすぎる!
新書なだけあって最新の情報が書かれていることも、今ライセンスに挑もうとしている人たちにはとても役立つ。
また、真面目な内容以外にフランクなコラムもあり、こちらもトリビア心をくすぐります。
単に飛行機に興味がある、という方にもきっとぐっとくる内容。
最近ではマニュアルもほぼ電子化されて、パイロットは重い規程類を持ち運びする必要がなくなったこと、機長、副操縦士の役割分担の明確化についても丁寧に解説されていて、
とても勉強になる。
最近は、エアラインのフルフライトシュミレーターを一般の方でも体験できる機会も増えているので、限られた体験時間を有効に過ごすにも、本格的な操作を期待するならぜひ一度目を通されてもいいかも!
∂Product description
∂著者について
航空解説者。神奈川県横浜市出身。早稲田大学卒。全日本空輸にて30数年間、ボーイング727、747の航空機関士として国内の主要都市、世界10カ国以上、20都市以上の路線に乗務。総飛行時間は14,807時間33分。現在はエアラインでのフライト経験を生かし、実際に飛行機に乗務していた者から見た飛行機のしくみ、性能、運航などに関する解説や文筆活動を行っている。おもな著書は『カラー図解でわかるジェットエンジンの科学』『カラー図解でわかるジェット旅客機の操縦』『カラー図解でわかるジェット旅客機の秘密』『カラー図解でわかる航空力学「超」入門』(サイエンス・アイ新書)など。
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