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∂ヴィトゲンシュタイン 世界が変わる言葉
エッセンシャル版
by 白取 春彦 (翻訳)
∂解説
きみの生き方が世界そのものだ。
20世紀最高の哲学者、人生に新しい地平を切り拓く言葉。
それまでの哲学をひっくり返した天才、ヴィトゲンシュタイン。
難解と言われる彼の文章に『超訳ニーチェの言葉』の白取春彦が挑み、
読者の視点を変え、人生と世界が新しく見えてくる鮮烈な言葉を誕生させた。
「きみがいいと思ったら、それでいい。誰かから何と言われようと、事実が変わるわけじゃない」
「きみ自身がきみの世界だ。きみの生き方で、きみの世界はいくらでもよくなっていく」
「内心や胸の奥の気持ちといったものがそれほど重要なのだろうか。
その人の表情や態度に表れているものよりも、本当に重要だと考えていいのだろうか」
ヴィトゲンシュタインとは
ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインは1889年4月にオーストリア・ハンガリー帝国の帝都ヴィーンに生まれた。
父カールの八番目の子、五人の兄弟と三人の姉妹の末っ子だった。
(中略)
兵士であった五年間も含めて六年越しで書かれた原稿は1922年に独英対訳の単行本としてイギリスで出版された。
これが有名な『論理哲学論考』であり、ヴィトゲンシュタインの生前に刊行された
ただ一冊の哲学書である。この薄い一冊が当時の哲学界に衝撃を与えた。
従来のほぼすべての哲学を真っ向から否定した書物だと思われたからである。
とはいっても、従来の哲学書のここかしこがまちがっていると指摘したのではない。
人間の論理的な思考と表現に用いる文章(命題)というものが
いったい世界のどこまでを伝えうるものなのか、
どこまでしか伝えられないものなのかを論理の点から考察したのである。
ふつうの人々から見れば、『論理哲学論考』は数式の入った難しい論理学の書物にしか見えない。
しかし、ヴィトゲンシュタインはこれを倫理と美学についての哲学書として書いた。
そのことは序文にもはっきりと記されている。
「この本は哲学の問題を扱い、これらの問題に問いを立てることが…
言語の論理の誤解に基づくことを示す。この本の全意義を次のような言葉にできるだろう。
“もともと言い表せることは明晰に言い表せる。そして語りえないことについては人は沈黙する”」
(木村洋平訳)
つまり、これまでの哲学は難解な問題を扱っていたのではなく、
言葉の使い方を誤っていたために、それら問題が難解なものに なってしまっていた、というのである。
哲学が取り組みながらも解明できない問題は難しいのではなく、
そもそも言語で言い表せないものを言語で表現しようとするからなのだ。
言葉で言い表せないものはただ示すしかない。
あるいは口をつぐみ、音楽や絵だので別に表現するしかないというわけである。
(中略)
自分の影響についてヴィトゲンシュタインはこう書いている。
「私があたえることのできそうな影響はといえば、なによりもまず、
私に刺激されて、じつにたくさんのガラクタが書かれ、
もしかしたらそのガラクタが刺激となって、いいものが生まれることかもしれない。
いつも私に許されている希望は、このうえなく間接的な影響をあたえることだけなのだろう」
(ヴィトゲンシュタイン『反哲学的断章』丘沢静也訳)
∂内容(「BOOK」データベースより)
きみの生き方が世界そのものだ。20世紀最高の哲学者、人生に新しい地平を切り拓く言葉。
∂著者について
∂ヴィトゲンシュタイン,ルートヴィヒ
1889~1951。オーストリア・ハンガリー帝国の大富豪の家に生まれる。ベルリン工科大学やマンチェスター大学工学部でジェット推進プロペラの設計に打ち込むが、やがて数学基礎論に関心が移り、ケンブリッジ大学のラッセルのもとで数学、論理学、哲学を学ぶ。第一次世界大戦ではオーストリア軍に志願して戦った。1922年、従軍時も含め6年越しで書いた『論理哲学論考』を出版し、当時の哲学界に衝撃を与える。これは彼の生前に出た唯一の哲学書である。約10年後、40歳でケンブリッジ大学に復学、博士号を取得。50歳で教授となる。58歳で辞職、62歳で死去
白取/春彦
青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。既成概念にとらわれない、哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある。『超訳ニーチェの言葉』(ディスカヴァー)はミリオンセラーとなった。
∂著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ヴィトゲンシュタイン,ルートヴィヒ
1889~1951。オーストリア・ハンガリー帝国の大富豪の家に生まれる。理工系の学問に興味を持ち、ベルリン工科大学やマンチェスター大学工学部でジェット推進プロペラの設計に打ち込むが、やがて数学基礎論に関心が移り、ケンブリッジ大学のラッセルのもとで数学、論理学、哲学を学ぶ。第一次世界大戦ではオーストリア軍に志願して戦った。1922年、従軍時も含め6年越しで書いた『論理哲学論考』を出版し、当時の哲学界に衝撃を与える。この本を書いたことで哲学についてはもう何もすることはなくったと感じ、小学校教師や修道院の庭師として働く。約10年後、40歳でケンブリッジ大学に復学、博士号を取得。50歳で教授となる。58歳で辞職、62歳で死去
白取/春彦
青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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