∂ビジネス教養としてのアート (日本語) 単行本岡田温司 (監修), 造事務所 (著)

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ビジネス教養としてのアート

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∂ビジネス教養としてのアート

(日本語) 単行本

岡田温司 (監修), 造事務所 (著)

∂読者レビューより引用・編集

芸術作品の値段というのは不透明なものの最たるものだが、その過程を開き直って掲げたのはそれなりに面白い。端的に言えば、権威と希少性と競争であとはコレクションの値上がりを望む投機家の思惑が価格を決定するということだ。それはその通りだし、さほど驚くことでもない。その意味では評価の定まった昔の画家の作品に大金を投じるのは芸術市場に預金をしているようなものだろう。換金したければ市場に出せば運が良ければプレミアがつく。
反対に評価が定まっていない芸術家の作品の根付は不透明だ。一番似ているのは新興市場での新規公開株だろう。大方は証券会社が値段をつけるが一方で投資の関係者が情報を流して投資家をあおる。結果、公開と同時に暴騰という図式となる。ただ、こうした銘柄はあっという間に暴落するのが普通だ。芸術の世界にもそんなにおいが立ち込めている。
本書の価値を決定的に既存しているのは１２１頁から１２７頁だ。ワンポイント解説で「金を出しても口をださない、これが芸術をめぐる行政の本来あるべき姿」と主張している。だが、金を出しても口を出さないのは大金持ちや過去なら君主や貴族の私的な資金の提供をさしてのことである。国や自治体がかかわる場合、原資が税金に求められる以上、私金と異なる原理として財政民主主義の拘束を受ける。したがってこの数ページはワイン樽に落ちた一滴の泥というべきだ。

∂内容（「BOOK」データベースより）

経済、歴史、思想、テクノロジー、技法でアートがもっとわかる!読むだけで身につく44の基本。

∂著者について

●岡田温司:1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学大学院名誉教授

∂著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

岡田/温司
京都大学名誉教授、京都精華大学特任教授。1954年広島県生まれ。1978年京都大学文学部卒業、1985年同大学大学院博士課程修了。京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、現在にいたる。西洋美術史・思想学専攻。『モランディとその時代』(人文書院)で吉田秀和賞を受賞、『フロイトのイタリア』(平凡社)で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)