∂長崎ぶらぶら節 (新潮文庫) (日本語) なかにし礼 (著)

∂長崎ぶらぶら節 (新潮文庫) (日本語)

なかにし礼 (著)

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∂長崎ぶらぶら節 (新潮文庫) (日本語)

なかにし礼 (著)

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∂荒野の狼のレビューから引用

吉永小百合主演の映画の鑑賞後に、原作である本書を購入。本作は、愛八という実在した魅力ある芸者の生涯を描いたものである。主人公の愛八と古賀先生の恋愛は、なかにし礼の創作とのことであるが、この部分は、映画のほうが強調されている。他の部分でも、原作の本書でも史実に忠実でない部分は多いとのことなので（たとえば愛八と弟との関係）、あくまで史実をもとにした創作というスタンスで楽しみたい。たとえば、史実かどうかは不明だが、旧約聖書の箴言（Proverbs）の第30章18-19を引用した占いのシーンで、愛八がこの部分を自分なりに意訳して解釈してしまう場面がある。聖書の言葉をヒントに、その拡大解釈から人生の指針を見つけていくということは欧米の作品では見られる（たとえば「エデンの東」など）。箴言のこの箇所を次のように思い込んでいる愛八は娘のようで愛おしいものがある「あん人は鷲のように空を飛び、蛇のように岩を這い、舟のように海を走ってうちに会いにきたとですた。本当に不思議たい。男と女がめぐり逢う道」（ｐ70）。創作の部分もある本書であるが、相撲ファンには、時代考証が正確なのは好感がもてる。愛八が栃木山が突き落としで大錦に逆転して光景を思い出す（ｐ47）という描写があるが、両力士とも大正時代の横綱であるが、愛八が見た一番というのは、おそらく長崎巡業のものであろう（本場所に愛八が行けたとは思えないし、映像も存在しない）。愛八は自分の部屋の中に土俵を作っており、そこには四本柱が立っている。これは昭和27年に廃止された土俵周囲の柱のことであり、細かいところまで時代考証がなされているのがわかる。愛八の肉声は2000年に発売されたCD「長崎ぶらぶら節」が中古版で聞くことができ、CDには本作でレコード化の様子が描かれている「長崎ぶらぶら節」や「浜節」が収録されている。愛八のファンには、本作の舞台の長崎市の料亭「花月」は、現在も営業しており、本作に登場する「鶴の間」や「竜の間」では実際に食事もできる。また花月の「集古館」には愛八の写真（原作では不美人とされているが、日本的で落ち着いた美人である）や「長崎ぶらぶら節」の自筆、愛八ゆかりの相撲の番付（昭和11年に横綱になった男女ノ川が「横綱」となっているので、昭和８年に死亡した愛八の時代に近い）と浮世絵（江戸時代の名力士のものなので愛八の時代の明治後期から大正の名横綱は描かれていない）などが展示されている。

∂内容（「BOOK」データベースより）

長崎・丸山遊里の芸者愛八が初めて本当の恋をしたのは、長崎学の確立を目指す研究者・古賀十二郎だった。「な、おいと一緒に、長崎の古か歌ば探して歩かんね」。古賀の破産を契機に長崎の古い歌を求めて苦難の道を歩み始める二人と、忘れられた名曲「長崎ぶらぶら節」との出会い。そして、父親のいない貧しい少女・お雪をはじめ人々に捧げた愛八の無償の愛を描いた、第122回直木賞受賞作。

∂著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

なかにし/礼
1938(昭和13)年、中国黒龍江省牡丹江市生れ。立教大学文学部仏文科卒業。シャンソンの訳詞家を経て、作詞家に。「石狩挽歌」「時には娼婦のように」他多くのヒット曲を生み「天使の誘惑」「今日でお別れ」「北酒場」で日本レコード大賞を3回受賞。他にも同作詩賞2回、ゴールデンアロー賞、日本作詩大賞など受賞歴多数。クラシック界にも活動の場を広げ、オペラ「ワカヒメ」「静と義経」、オラトリオ「ヤマトタケル」、世界劇「眠り王」「源氏物語」などの作品がある。’99(平成11)年、『兄弟』を発表して小説家に。2000年、『長崎ぶらぶら節』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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∂長崎ぶらぶら節 [DVD]

吉永小百合 (出演), 高島礼子 (出演), 深町幸男 (監督) 形式: DVD

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∂読者レビューから引用・編集

吉永小百合さんが演じる愛八がとても可愛らしかったです。女性って、何歳になっても可愛らしい人はいるし、反対に、若いのに少しも可愛くない人もいますよね。何が可愛いと感じさせるんでしょうね。それは、健気さとか、欲のなさとかなのでしょうか。愛八は、地位も名誉もお金も必要とせず、いろんな意味での愛と、それから芸者の誇りを大事にして生きています。それがちっとも嫌味に感じないのは吉永小百合さんの人徳でしょう。このDVDを観て、自分もこんなふうに一途に誰かを大切にして生きていけたら素敵なのになあと思いました。
それから、このDVDを観ると、豪華な芸者の世界を堪能することもできます。美しい着物を観るのも楽しいですし、芸者の芸やら、飲み会ゲームもなかなか興味深かったです。昔から、飲み会ゲームってあるんですね、知らなかった。