∂日本文学盛衰史 (講談社文庫) 

高橋源一郎  (著)  形式: Kindle版

 

       

 

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∂読者レビューより引用

 

最近はまっている高橋源一郎。
そんな彼の代表作と言っても過言ではない2002年伊藤整文学賞受賞作。

全編日本文学に対するパロディ。超パロディ。 高橋源一郎にしか出来ない芸当。

なぜか森鴎外に「たまごっち」をねだる夏目漱石。
伝言ダイヤルにはまり、ブルセラの店長になってしまう石川啄木。
啄木が超貧乏だったのは、女子高生と援助交際しすぎだからって設定になってたり。
私小説の極みに自著『蒲団』をAV映画として監督してしまう田山花袋。

花袋はカメラマンにこう言われる。

カメラマン「でも先生は『露骨なる描写』をやりたいとおっしゃった。先生がほんとにやりたかったのは『露骨なる描写』ですか、それとも文学ですか」

花袋「だから『露骨なる描写』に基づいた文学だよ」

カメラマン「ということは、文学で『露骨なる描写』が出来るとお考えなのですか。」

こんな風にAV監督とカメラマンが語り合う。
なんてシニカル。

さらに、島崎藤村と田山花袋の会話。

花袋「島崎」

藤村「なんだ」

花袋「ちょっと聞いていいか」

藤村「いいよ」

花袋「おまえ、オナニーするよな」

藤村「ええっ?」

花袋「オナニーだよ。オナニー」

藤村「なんだよ藪から棒に。僕は妻帯者だよ。」

花袋「妻帯者がなんだよ。妻帯者だろうと独身だろうと、ふつうオナニーぐらいするだろ。まさか、もうしなくなったなんていわんよな」

藤村「まあ、たまには……」

花袋「じゃあ、オカズはなにを使う?」

藤村「オカズって……」

(中略)

花袋「なんだよ。なに、もじもじしてるんだよ。自然主義の神様が、オナニーの話ぐらいでおたおたするなっていうの。」

なにこの会話。
電車で読んでて笑いそうになった。
パロディばっかりかと思ったら、夏目漱石の『こころ』の登場人物「K」の謎に迫る「Who is K?」に唸らされたりする。 これは立派な論文。

全編40以上の章にわかれ、600ページ以上の対策だが、明治以降の日本の文学史や思想をある程度知っていないと、全て楽しむことは困難。
何が元ネタでどこがパロディなのか分からない。

そんな高橋源一郎はやはり天才だと思う。

 

 

 

 

  

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∂内容紹介

「何をどう書けばいいのか?」近代日本文学の黎明期、使える文体や描くべきテーマを求めて苦悩する作家たち。そして……漱石は鴎外に「たまごっち」をねだり、啄木は伝言ダイヤルにはまり、花袋はアダルトビデオの監督になる!?近代文学史上のスーパースターが総登場する超絶長編小説。第13回伊藤整文学賞受賞作。

∂内容(「BOOK」データベースより)

「何をどう書けばいいのか?」近代日本文学の黎明期、使える文体や描くべきテーマを求めて苦悩する作家たち。そして…漱石は鴎外に「たまごっち」をねだり、啄木は伝言ダイヤルにはまり、花袋はアダルトビデオの監督になる!?近代文学史上のスーパースターが総登場する超絶長編小説。伊藤整文学賞受賞作。

∂内容(「MARC」データベースより)

「いったい、何を、どう書けばよいのだ?」 近代文学の創始者たちの苦悩が、百年後の日本に奇跡のように甦る。 ここは明治か? 現代か? 世界初、文学史が小説になった!

∂著者について

高橋源一郎(たかはしげんいちろう)
1951年1月1日、20世紀のターニング・ポイントの日に広島で生まれる。1981年、『さようなら、ギャングたち』で群像新人長篇小説賞優秀賞受賞。1988年、『優雅で感傷的な日本野球』で三島賞受賞。ほかに、『虹の彼方に』(1984年)、『ジョン・レノン対火星人』(1985年)、『ペンギン村に陽は落ちて』(1989年)、『惑星P-13の秘密』(1990年)、『ゴーストバスターズ冒険小説』(1997年)、『あ・だ・る・と』(1999年)など多数。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

高橋/源一郎
1951年1月1日広島県尾道市生まれ。1981年『さようなら、ギャングたち』で作家デビュー。1988年『優雅で感傷的な日本野球』で三島由紀夫賞受賞。2002年『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞受賞。競馬評論家としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

 

 

 

∂Lyn  

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