∂読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫) 

ピエール バイヤール (著), Pierre Bayard (原著)

 

 

                             

 

∂読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫) 

ピエール バイヤール (著), Pierre Bayard (原著), & 1 その他


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johnny walker

ベスト100レビュアーより引用・編集

∂最初から最後まで読んでいなければ、絶対にできない「読書案内」、つまり、本文の筋や詳細に言及し、引用もおこなう「解説」の「方法」を説いたものではないことは、明らか。
著者は、日頃から自己主張のはっきりしている、フランス人。他人からどう見られているかを気にする傾向がある日本人ならば、なかなか、発表しづらいテーマかもしれない。

原書の初版は、2007年。この翻訳本の初版も、2016年。案外、最近の作品なのだ。(今年は2019年)

いわゆる“重箱の隅をつつく”ようなミクロ的視点で熟読した挙句、その本の著者の思考(ものの見方や考え方)に、いつの間にか染まってしまう読者のように、自分自身の思考を犠牲にする行為を、本書を著わしたピエール・バイヤール氏は、何よりも避けようとする。きわめて自由な精神の持ち主なのである。

バイヤール氏は読書を、「自己創造のさまざまな技術にたいする感受性を養う」(本書272頁)ためのトレーニングとして推奨し、いくつかのケース・スタディをとおして、その「方法」を説く。
著者の言いたいことよりもむしろ、読んでいる自分がどう感じ、考えるのかに忠実であることを重視する態度は、批評・評論(クリティーク)を得意とするフランス人の真骨頂ともいえる。

…以上のような抽象論ばかりではわかりづらいので、以下に、本書の目次を引用し、この目次を読んだだけでも、本書について「堂々と語る方法」が思い浮かぶかどうか、を試してほしい。
読まなくても、どうにか「批評」はできそうであることに、お気づきいただけるだろうか?

*** ~*~ ***
目次:

Ⅰ 未読の諸段階(「読んでいない」にも色々あって……)
1 ぜんぜん読んだことのない本
2 ざっと読んだ(流し読みをした)ことがある本
3 人から聞いたことがある本
4 読んだことはあるが忘れてしまった本

Ⅱ どんな状況でコメントするのか
1 大勢の前で
2 教師の面前で
3 作家を前にして
4 愛する人の前で

Ⅲ 心がまえ
1 気後れしない
2 自分の考えを押しつける
3 本をでっちあげる
4 自分自身について語る

結び
訳者あとがき
文庫版訳者あとがき

*** ~*~ ***

…これだけではまだ、「批評」できないと思う方々は、本書に登場する著名な作家や作中の人物たちの発言や行動に接すれば、楽しみながら、「批評」とは本来、どんな行為なのかを、学ぶことができるだろう。
これを書いている私自身も、たくさんの事例を読みながら「なるほど、そうか」と、納得できたのである。
翻訳者(大浦康介氏)の文章が上手いおかげで、バイヤール氏の語り口が親しみやすい。

個人的には、第Ⅱ章の4、「愛する人の前で」において紹介されているアメリカ映画『グラウンドホッグ・デイ』の話が、かなり気に入っている。日本の映画会社が『恋はデジャ・ブ』という野暮なタイトルを付けたそのDVDを、即決で注文・鑑賞したほど、おもしろい内容なので、おススメする。気に入られたい女性の好む本や音楽に詳しくなろうと奮闘する男の話なのだが、何度も同じ日を生きるはめになる、という状況設定が奇抜。

第Ⅲ章の3、「本をでっち上げる」では、夏目漱石の『吾輩は猫である』を取り上げていたりもするから、日本人にとっての本書は、たんなる洋書を訳したものではない親近感をもたせてくれるだろう。

どの章にも、おもしろい事例が出てくるので、どこでもよいから、パッと開けたページから読んでみよう。そのような「方法」が邪道ではないことを、バイヤール氏自身も明言しているのだから!

本書のエッセンスといえる第Ⅲ章の4、「自分自身について語る」と、その後の「結び」は、人間生活における書物の本質的な役割りについて論じており、まさに圧巻である。

*** ~*~ ***

現代人は、個人がブログやツイッターその他で、あらゆる物事に関する私見を述べ、世界中でそれを閲覧する不特定多数の人々に拡散させることも可能な、考えようによっては末恐ろしい時代に生きている。
そのような環境下で、「(ろくに・十分には)読んでいない本について堂々と語る」行為は、特別なものではなくなっている。語られた内容の是非・優劣はともかく、語り手(騙り手?)本人の個性と感性が明瞭に
あらわれ、読者の人気を得るコトバが、そこらじゅうに氾濫しているのだから。

本書は、「批評」が本来、創造的なものであることを説く、きわめて知的、かつ、現代的ともいえるガイドブックである。これを読めば、読む以前には気づかなかったようなスキルに目覚め、読書の「方法」も多様になるはずだ。…少なくとも、その本の著者の考え方からは距離を置くだけの余裕ある態度が養われた
おかげで、本と向き合う自分自身の心の声が聞こえてくることだろう。
ちょっとでも時間があって、何か知的で、わかりやすい本を、くつろぎながら読んでみたいと思った場合に、一度、手に取ってほしい一冊。

 

 

∂内容紹介

本は読んでなくてもコメントできる! フランス論壇の鬼才が心構えからテクニックまで、徹底伝授した世界的ベストセラー。現代必携の一冊!

∂内容(「BOOK」データベースより)

本は読んでいなくてもコメントできる。いや、むしろ読んでいないほうがいいくらいだ―大胆不敵なテーゼをひっさげて、フランス文壇の鬼才が放つ世界的ベストセラー。ヴァレリー、エーコ、漱石など、古今東西の名作から読書をめぐるシーンをとりあげ、知識人たちがいかに鮮やかに「読んだふり」をやってのけたかを例証。テクストの細部にひきずられて自分を見失うことなく、その書物の位置づけを大づかみに捉える力こそ、「教養」の正体なのだ。そのコツさえ押さえれば、とっさのコメントも、レポートや小論文も、もう怖くない!すべての読書家必携の快著。

気著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

バイヤール,ピエール
1954年生。パリ第八大学教授。精神分析家。文学をめぐる様々なパラドックスに着目し、創造的批評論を展開する。20タイトルに及ぶその著書は、各国語に翻訳されている

大浦/康介
1951年生。京都大学教授。専門は文学・表象理論、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

 

 

 

 

 

∂Lyn

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