∂イミテーション・ゲーム 

エニグマと天才数学者の秘密

 

 

    

https://m.youtube.com/watch?v=juRAVxHO6qs

 

 

 

∂現代の全ての計算機アーキテクチャの基礎概念(構造)である<チューリング・マシン>を発案し、その<マシン>のプロトタイプを使ってドイツの<エニグマ>の暗号解読に成功し、第二次世界大戦においてイギリスを勝利へと導いた天才数学者アラン・チューリングの孤高の姿を史実に基づいて描いた鬼気迫る力作。映画ではチューリングの性的嗜好へも踏み込んでおり、戦後、猥褻罪の容疑で刑事に取調べを受けているシーンから始まり、以下、チューリングが<エニグマ>の暗号解読チームに入ってからの回想譚となる。
全体としてはチューリングの偉業(及び名誉回復、2009年に政府が公式謝罪)を称える趣旨となっているが、天才故の唯我独尊、周囲からの孤立、情よりもロジックを優先する性癖(この性癖自身がロジックか)、「自分は人間かマシンか?」という自己問答、平和愛好家、性的嗜好による好きな同僚女性との間のギクシャクした関係など、チューリングの"人となり"も深く描き込んでいる(むしろ、"人となり"の方が中心という印象を受けた)。刑事に<チューリング・テスト>をするシーンを設けているのは製作陣の遊び心か。一方、上述したプロトタイプ<マシン>の名前を中学時代の初恋の男子の名前と同一にしているというチューリングの人間臭さも上手く表現していると思う。しかし、不満な点も残る。
<エニグマ>の(簡単な)構造及び暗号理論に関する簡潔な解説なしでは、一般の方には、<エニグマ>の暗号(159×10の18乗通りの組合せが可能)解読が如何に難しく、チューリングが成し遂げた偉業の真価が理解し難いという恨みがある。<Nash均衡>で有名なジョン・ナッシュを扱った「ビューティフル・マインド」

 

 

ではもう少し技術面の解説が多かったと思う。悲劇的な末路を辿るという点では同一なのだが。チューリングがイギリスの勝利の立役者だった事が50年間、国家機密だったというエンドロールの文言は重い。その意味では、昨今のLGBT問題、国家の情報開示問題をも扱った時代に鋭敏な映画とも言える。

 

∂内容紹介

第87回アカデミー賞®受賞(脚色賞)、<作品賞>含む、8部門ノミネート! 世界の映画祭で絶賛された話題作! 
ベネディクト・カンバーバッチ主演! 
英政府が50年以上隠し続けた、 第二次世界大戦の終結を早めたと言われる、世界最強の暗号“エニグマコード"解読の裏に隠された真実とはー?!


【特典映像】
・オーディオ・コメンタリー(監督×脚本家)
・予告編集
・キャスト&スタッフ プロフィール(静止画)
・プロダクション・ノート(静止画) 

【キャスト】
ベネディクト・カンバーバッチ
キーラ・ナイトレイ
マシュー・グード
マーク・ストロング
チャールズ・ダンス
アレン・リーチ
マシュー・ビアード
ロリー・キニア

【スタッフ】
監督:モルテン・ティルドゥム
脚本・製作総指揮:グレアム・ムーア
撮影:オスカル・ファウラ

【ストーリー】
第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号<エニグマ>。
世界の運命は、解読不可能と言われた暗号に挑んだ、一人の天才数学者アラン・チューリングに託された。
英国政府が50年以上隠し続けた、一人の天才の真実の物語。時代に翻弄された男の秘密と数奇な人生とは―?!

※特典映像、商品仕様、ジャケット写真などは予告無く変更となる場合がございます。

∂内容(「Oricon」データベースより)

第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号<エニグマ>。世界の運命は、解読不可能と言われた暗号に挑んだ、一人の天才数学者アラン・チューリングに託される事に…。英国政府が50年以上隠し続けた、コンピューターの礎を築いた天才数学者アラン・チューリングの数奇な運命を描いた感動ドラマ。

 

 

 

∂Lyn

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