∂自叙伝 

ジャン=リュック・ピカード

 

   

 

 

∂新スタートレックのピカード艦長の自叙伝という形にはなっているが、実質的にはピカード艦長の人生を絡めた壮大なスタートレック小説。映像作品を中心に断片的に語られてきたピカードの過去や経歴等を(新スタートレックだけでなく全スタートレックシリーズの)ファンが納得する形で補完してある。新スタートレック後に放映されたスタートレック:エンタープライズとの関わりもばっちり描かれているだけでなく、新スタートレックの映画最終作・ネメシス後の気になるピカードの人生も、その後の作品との整合性を保ちつつ、きちんと描かれている(宇宙艦隊アカデミーの「アーチャー棟」についてピカードはジョナサン・アーチャーにちなんで名づけられたと語っているが、後の編注でこれは「ありがちな勘違い」であり、実際は父のヘンリー・アーチャーにちなむとわざわざ訂正を入れる芸の細かさには思わず笑ってしまう)

著者のグッドマン(本書内ではピカードの編集者という設定)は、スタートレック:エンタープライズのライターも務め、またピカード役のパトリック・スチュワートとも交流もがあるようで、その豊富なスタートレックの知識からコアなファンも喜ぶ他シリーズとの関係をこれでもかとふんだんに盛り込み、またピカードのキャラを深く掘り下げることに成功している。ピカードと兄ロベールとの確執と和解は、新スタートレック内でも描かれていたが、この兄との関係は本書でのピカードの人生を語る重要な柱の一つとなっており、さらに感動的に再構成されている。

それ以外にも、本書を読んで、「なるほど、あの回でピカードが語っていた事件は、こういうことだったのだな。」と納得してしまった。また、言及された関連エピソードや映画を観返したくなること請け合いである。きっと「ピカードがこういう決断をしたのは、本書で書かれたエピソードがあったからだな。」などと大いに想像が膨らむことだろう。あえて難を言えば、宇宙大作戦のキャラをやや強引に出し過ぎている気もするが、これもファン・サービスとしてご愛敬というところか。 
 折しも、ピカードを主役にした新シリーズの映像作品が制作されるとの報道がなされたばかり。本書を読んで、さらに新スタートレックをおさらいをすれば、その新シリーズも一層楽しめることだろう。日本語訳も、ピカードをはじめ各キャラクターの話し方など、映像作品の吹替版にもかなり気を配ってなされたことがわかる。解説によれば、グッドマンは、惑星連邦の成立史、カークとスポックの自叙伝も執筆しているとのこと。これらの著作も、ぜひ同じ訳者で翻訳・刊行をして欲しい。

 

∂内容紹介

宇宙艦隊史上屈指の偉大な艦長であるジャン=リュック・ピカード氏による初の自叙伝! 

今初めて、
ここに綴る。

家族との確執、軍法会議、報われぬ愛、
エンタープライズ艦長就任、そしてボーグによる同化、
宇宙で遭遇した数々の思い出を――

〈U.S.S エンタープライズ〉元艦長・ジャン=リュック・ピカードの波乱の人生が語られる、初の自叙伝! 
ワイン農家に生まれ、宇宙にあこがれた少年は、いかにして“宇宙艦隊で最も偉大な艦長"として名を残したのか。

宇宙艦隊史上屈指の偉大な艦長であるジャン=リュック・ピカード氏の人生が、自身の言葉によってついに語られる。
著者の波瀾万丈の人生とキャリアは、読む者の心を強く突き動かす。
家族との確執、軍法会議、報われぬ愛、カーデシア軍による監禁と拷問、そしてボーグによる同化、宇宙で遭遇した数々の出来事が、ジャン=リュック・ピカードの物語を真に忘れがたいものにしている。

ピカード は、ご存知のように探検家、外交官、なかでも〈U.S.S.エンタープライズ NCC1701-D及びE〉艦長時代の功績により、銀河史にその名を永遠に刻んでいる。
本書では、幼少時代に宇宙に夢を馳せるようになったきっかけ、兄ロベール及び父親との長きに渡る確執、そして宇宙アカデミーへの入学に至る経緯が明らかにされている。
そして、〈U.S.S.リライアント〉での勤務から艦長として率いた初の船〈U.S.S.スターゲイザー〉での様々な冒険、惑星連邦宇宙艦隊の旗艦であるギャラクシー級戦艦〈U.S.S.エンタープライズ NCC1701-D〉艦長就任とその数々の任務についても触れている。
また幼少期やアカデミー卒業時など、彼の人生における決定的瞬間を切り抜いている貴重な写真も収録。


「法が絶対である限り、正義は存在しえない。
人生そのものでさえ例外でできている」
——ジャン=リュック・ピカード

難破し、命の尽きた〝老嬢〟を振り返る。山ほどの思い出の源泉。ロートン、マザーラと彼の子どもたち……艦長に就任し、ウォーカーとジャックが船に乗り組み……ビバリー……。
感傷に浸っているひまはない。やるべきことがある。日誌を開いた。その時だった、日付に気づいたのは。
クイン艦長が「メイク・イット・ソー」というのを初めて聞いたときのことを思い出した。二三五五年七月十三日。
わたしの五十歳の誕生日。そして、すべてを失った日だ。
――第七章 再び宇宙へ――五十歳の誕生日、老嬢との別れ(本文より)

∂内容(「BOOK」データベースより)

今初めて、ここに綴る。家族との確執、軍法会議、報われぬ愛、エンタープライズ艦長就任、そしてボーグによる同化、宇宙で遭遇した数々の思い出を―。ワイン農家の息子が夢見た宇宙―。

∂著者について

[著者プロフィール]
ジャン=リュック・ピカード
Jean-Luc Picard
2305年生まれ。地球・フランス出身の地球人。惑星連邦の宇宙艦隊大佐。


[編者プロフィール]
デイヴィッド・A・グッドマン
David A. Goodman
メモリー・アルファの歴史家でもある。ジャン=リュック・ピカードの引退後、自叙伝の編集を依頼され、彼とともに本書を書きあげた。
作家・脚本家・プロデューサー。一九八八年、『ゴールデン・ガールズ』の脚本家としてキャリアをスタート。これまでに『スター・トレック エンタープライズ』『アメリカン・ダッド』『フューチュラマ』など、二〇作あまりのテレビシリーズを手がけてきた。『フューチュラマ』では、『スター・トレック』へのオマージュとなるエピソード「Where No Fan Has Gone Before」の脚本を執筆。 代表作『ファミリー・ガイ』では、エグゼクティブ・プロデューサー兼ヘッドライターを担当し、一〇〇本以上のエピソードを手がけている。 『スター・トレック』のパロディ版ともいえる『宇宙探査艦オーヴィル』ではエグゼクティヴ・プロデューサーを努めている。カリフォルニア州パシフィックパリセーズに家族と住んでいる。

∂著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

グッドマン,デイヴィッド・A.
作家・脚本家・プロデューサー。カリフォルニア州パシフィックパリセーズに家族と住んでいる

有澤/真庭
千葉県出身。アニメーター、編集者等を経て、現在は翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 


∂出版社より

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宇宙艦隊史上屈指の偉大な艦長であるジャン=リュック・ピカード氏による初の自叙伝! 

「法が絶対である限り、正義は存在しえない。人生そのものでさえ例外でできている」——ジャン=リュック・ピカード

宇宙艦隊史上屈指の偉大な艦長であるジャン=リュック・ピカード氏の人生が、自身の言葉によってついに語られる。

著者の波瀾万丈の人生とキャリアは、読む者の心を強く突き動かす。

家族との確執、軍法会議、報われぬ愛、カーデシア軍による監禁と拷問、そしてボーグによる同化、宇宙で遭遇した数々の出来事が、ジャン=リュック・ピカードの物語を真に忘れがたいものにしている。

ピカード は、ご存知のように探検家、外交官、なかでも〈U.S.S.エンタープライズ NCC1701-D及びE〉艦長時代の功績により、銀河史にその名を永遠に刻んでいる。

本書では、幼少時代に宇宙に夢を馳せるようになったきっかけ、兄ロベール及び父親との長きに渡る確執、そして宇宙アカデミーへの入学に至る経緯が明らかにされている。

そして、〈U.S.S.リライアント〉での勤務から艦長として率いた初の船〈U.S.S.スターゲイザー〉での様々な冒険、惑星連邦宇宙艦隊の旗艦であるギャラクシー級戦艦〈U.S.S.エンタープライズ NCC1701-D〉艦長就任とその数々の任務についても触れている。

また幼少期やアカデミー卒業時など、彼の人生における決定的瞬間を切り抜いている貴重な写真も収録。

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宇宙……それは人類に残された最後の開拓地である。そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない。

24世紀――人類が、ジェームズ・T・カーク率いる〈U.S.S.エンタープライズ〉による5年間にわたる歴史的な調査飛行を終えてから約80年後の世界。

再び人類未踏の聖域への探索に乗り出すこことなる。

この新たなる調査飛行で指揮を執ったのがジャン=リュック・ピカード である。

乗船したのは、惑星連邦にその名を残す偉大なる船の名を受け継いだ〈U.S.S.エンタープライズ NCC-1701-D〉。

調査飛行はもちろん、時に惑星連邦周辺諸国との交渉や戦火にも参加した。

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[著者プロフィール]ジャン=リュック・ピカード Jean-Luc Picard

2305年生まれ。地球・フランス出身の地球人。惑星連邦の宇宙艦隊大佐。

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難破し、命の尽きた〝老嬢〟を振り返る。山ほどの思い出の源泉。ロートン、マザーラと彼の子どもたち……艦長に就任し、ウォーカーとジャックが船に乗り組み……ビバリー……。