∂KINGDOM 

キングダム

 

        

 

 

 

 

∂視聴者レビューより引用・加筆

素晴らしい出来映え、漫画の実写化としては満点の出来で、その仕上がりに原作ファンは絶賛。また歴代の邦画スペクタクルと比しても完成度が高く、むしろ原作未読の方が新鮮で楽しめた位だ。勝因は幾つか有るが、原作に忠実なストーリー展開や映像演出も然ることながら、完璧な配役陣と迫真の演技に尽きる。
先ずストーリーは第一巻~第五巻の王弟反乱篇と切りが良く、「血より志」は信と贏政が、「怨恨より未来」は山の民と楊端和が、それぞれ示して世界観を熱く魅せてくれる。
原作からの変更は、冒頭の信と漂の出会いから大望を抱くまでを丹念に描いた事と、秦国王都の咸陽王宮での右龍回廊と玉座の間での敵役が、ランカイから左慈の逆順になった程度。大きな割愛箇所も無く、テンポ良く2時間14分に纏めてあり、原作者の原泰久氏が脚本に加わってテイストを傷付けずに上手く改編している。CG映像やセット、衣裳面も良く出来ていて安っぽさや違和感がなく、邦画の進化を実感出来る。
配役は主演の山崎賢人、吉沢亮、橋本環奈から、大物役の大沢たかお、長澤まさみ、高嶋政宏、中堅の満島真之介、(筋肉だけの)阿部進之介、悪役の本郷奏太、石橋蓮司の全てが抜群に嵌まっていた。
また昔から中国戦史モノにおける最大の難題は、大軍と英傑だ。今回は大部隊同士の衝突がない話なのでCGは一部で済むが、王騎将軍の登場は不可欠だった。ジョン・ウー監督の「レッドクリフ」では関羽や張飛が小柄で拍子抜けしたが、本作では音響効果と画面アングルの工夫、王騎が大沢たかお、騰が要潤の高身長コンビで上手く賄った。
特に驚いたのが大沢が役作りの為に15kgも増量した事で、その太い二の腕や表情の貫禄に表れ、独特のおネエ台詞の再現を含めて、まさに本物の役者魂に魅せられた。その点では楊端和の長澤まさみも負けてない。余計な台詞を省いた凛々しい演技と自由自在な剣術からはオーラすら感じた。これは佐藤信介監督と以前組んだ「アイアムアヒーロー」での対ゾンビ・アクションの経験が多分に生きている。
この二人は「世界の中心で愛をさけぶ」を大ヒットさせた東宝作品の顔で、二人が贅沢にも山崎ら若手達の引き立て役に回ったのが、後半を引き締めた勝因と言える。
この様に初作は大成功を収めたが、本番は次回作からだ。万を越える軍隊同士の会戦や攻城戦、龐煖や蒙武等の体躯隆々な大将軍、羌瘣の巫舞等をどう描くか、大勢のエキストラやワイヤーアクション、CG加工が多く必要となり恐らく制作費は跳ね上がるだろう。原作は果てしなく続くが、東宝の製作判断は二次コンテンツを含む収益次第なので、ファンの購買力と海賊版の抑制が鍵だ。本作はシリーズ化しないと勿体ない。役者さんも歳を取るので早期の続篇を、楽しみにしている皆さんと一緒に応援したくなる会心の傑作です。

 

 

 

 

 

 

∂キングダム(映画)

2時間13分2019G

紀元前245年、春秋戦国時代、中華・西方の国「秦」。戦災孤児の少年の信と漂は、いつか天下の大将軍になることを夢見て日々剣術の鍛練を積んでいた。ある日、漂は王都の大臣である昌文君によって召し上げられ王宮へ。信と漂の二人は別の道を歩むことになる…。王宮では王の弟・成蟜によるクーデターが勃発。戦いの最中、漂は致命傷を負うが、何とか信のいる納屋にたどり着く。「お前に頼みたいことがある」血まみれの手に握られていたのは、ある丘に建つ小屋を示す地図だった。「今すぐそこに行け!…お前が羽ばたけば、俺もそこにいる…。信!俺を天下に連れて行ってくれ…」力尽きる漂。漂が手にしていた剣とその地図を握りしめ、信は走り出した。たどり着いた先で、信の目に飛び込んできたのは、冷静にたたずむ漂の姿だった!?死んだはずの漂がなぜ-(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

ジャンル
アクションドラマ軍隊・戦争
監督
佐藤信介
主演
山﨑賢人吉沢亮長澤まさみ