∂百億の星と千億の生命 

カール・セーガン

 

 

 

 

安らぎや救いを与える存在としての神が、「こうであって欲しいと願う世界」をつくりあげ、真実の発見を曇らせることもある。物事を信じることが宗教の教えならば、物事を疑うことが科学の教え。しかし、宗教を排除するわけでなく、ともに手を取り合って、この世界を良い方向に導こうというセーガンの主張。
 また、科学書にありがちな難解な専門用語をほとんど使わず、一般の読者に向けて、平易な言葉でメッセージを伝えようとしている点も素晴らしい。人類の犯した過ちについての記述が繰り返される。我々はその警鐘を軽い気持ちで受け流すことはできない。
 事態を改善するためには、事態を知ろうとする学びの姿勢が必要である。
それにしても、氏の若すぎる死(1996年、62歳)はあまりに遺憾である。

∂内容(「BOOK」データベースより)

巨大な数はどう数えたらよいのか?ユーモアたっぷりに科学の基本から説き起こし、やがて現代が直面する重要問題へ―石油資源をめぐる闘争、温暖化の危機とその解決策、中絶の是非、等々。科学の楽しさと奥深さを平易に伝え続けた世界屈指の宇宙物理学者が死病と闘いながらも書き遺したかった地球の未来像とは。20世紀最後の大科学者が21世紀の人類に贈る感動のラスト・メッセージ。

∂著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

セーガン,カール
1934‐1996。ニューヨーク生れ。シカゴ大学大学院で博士号取得。専攻は惑星科学。コーネル大学天文宇宙科学科教授として教壇に立つかたわら、同大惑星研究所長も務めた。’78年、『エデンの恐竜』など宇宙・天文に関する一連の著作でピュリッツァー賞を受賞。’80年発表の『コスモス』は、空前のベストセラーとなり、TVシリーズは世界60カ国で放映された。以後も小説『コンタクト』を発表するなど、旺盛に執筆・講演活動を続けた 

滋賀/陽子
東京大学理学部卒業。同大学院修士課程修了。理学博士 

松田/良一
東京大学大学院准教授。発生生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)