∂For your eyes only 007

 

        

 

 

∂“Eyes Only” なら「見て読む以外不可(複写など不可)」の意味の慣用句で、極秘文書に使われる。原作の邦題「読後焼却すべし」や「他言無用」が意訳として適切。

原題 “For Your Eyes Only” は、「あなただけに見て欲しい」という女性からの性的誘惑も暗示したダブル・ミーニングとなっている。

 

 

 

∂『007 ユア・アイズ・オンリー』(ダブルオーセブン ユア・アイズ・オンリー、For Your Eyes Only)は、1981年公開、ジョン・グレン監督のスパイアクション映画007シリーズ第12作。また、原題はイアン・フレミングの007シリーズ第1短編集 (日本語タイトルは『007号の冒険』)と、同書収録の短編(『読後焼却すべし』)のタイトルでもあり、本映画の原作としてはその他同書の『危険』が使用されている。

ジョン・グレン監督の1作目として、これまでの推理小説的、あるいは特撮作品と打って変わって大胆なスタントシーンで構成され、スーパーアクションムービーとなった作品。オープニングのヘリコプター・空中スタントから、カーチェイス、スキーアクション、銃撃戦、そして水中での格闘、ロック・クライミングと、スリリングなシーン満載の大作。SF色が濃い前作『ムーンレイカー』から007映画の原点へ軌道修正されたシリーズ中傑作の一つ。

 

 

∂原作本

バラと拳銃 (薔薇と拳銃)- From a View To A KIll
映画『007 美しき獲物たち』の原作。
読後焼却すべし - For Your Eyes Only
本短編集の表題作。本映画『007 ユア・アイズ・オンリー』の原作。前半部のエピソードに使われている。
危険 - Risico
本映画『007 ユア・アイズ・オンリー』のもう一つの原作。中盤のエピソードに丸ごと使われている。
珍魚ヒルデブランド - The Hildebrand Rarity
登場人物が映画『007 消されたライセンス』に使用された。"PLAYBOY" 1960年3月号掲載。
ナッソーの夜 - Quantum of Solace
映画『007 慰めの報酬』の原作。"COSMOPOLITAN" 1959年5月号掲載。

@トレーシー・ボンドの墓標

オープニングでボンドは妻トレーシーの墓参りをする。彼女は『女王陛下の007』のエンディングでボンドと結婚式を挙げるが、その直後に仇敵スペクターの首領エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドによって殺された。墓標によると、1943年生まれ、1969年(『女王陛下-』の公開年)没となっている。