今回の一般質問は老朽化した公共下水についてです。
今後は、春日井市でも50年以上経過する老朽管がふえてきます。そのあたりを議題として行いました。
公共下水のつまりについて
全国の公共下水は、管路延長約47万Km 、処理場数約2,200箇所以上など下水道ストックが増大する一方で、既存処理施設の老朽化、下水道本管の老朽化が問題となっております。
下水管渠は、目にみえない土の中で、土圧や車輌の重量、水圧、摩耗や化学的な硫化水素等による腐食、など厳しい環境に長期間さらされており、布設から数十年が経過した老朽管は損傷し、周囲の土砂を引き込んだ結果、空洞を形成して路面の陥没事故を発生させる例が全国で年間3000から4000件発生しております。
下水管の亀裂から、そこに土砂が引きこまれ、空洞が生まれ、そこに雨水や地下水が流れ込み、水位が上下し、周囲の土砂を削り取っていき空洞は大きくなり道路陥没を引き起こしています。
陥没した穴に人が転落するなど被害が出ているケースも報告がされており、手を加えていかなければ、老朽による問題も増加傾向となっております。
春日井市では、昭和39年から下水道事業に着手し、事業開始初期に建設された下水道施設は、既に建設後45年以上を経過しております。
その当時の管渠は、ヒューム管といわれる鉄筋コンクリート製の管が使用されており、管の接続部分の腐食や下水管内は硫化水素などによるガスの発生から亀裂がおこることも報告されております。
ヒューム管製品の耐荷力基準が、数年ごとに引き上げられておりますが、古くなればなるほど基準が低く、ひび割れが起りやすくなっております。
ヒューム管の耐用年数は50年程度とされていることから、今後、多くの下水道施設が更新時期を迎えていくこととなります。
本市の既設公共下水の本管が1272kmある中で、耐用年数の50年を迎える本管が21.1km、そして経過45年となると111.8kmとなっており、これからの5年間で耐用年数を迎える対象の管渠は、5倍と増加していくこととなります。
下水道本管の経年劣化や埋設付近の環境から市内でも公共下水の様々な問題が発生しております。
本市の公共下水道の布設着手は、高蔵寺ニュータウン地区から始まっているおり、下水道本管の耐用年数を迎える箇所が多いことや、同じ時期に植えられた街路樹などの木の根から下水本管に亀裂をつくり、根が入り込みつまりを引き起こし、幹線道路に汚水が吹き出してしまっている事案が数件報告がされております。
平成28年の6月には、中央台商業施設付近での汚水吹き出し、平成29年11月に高森台の緑地帯の木の根からなる汚水吹き出し、今年は、ニュータウンの中心付近の主要6車線道路の交差点で、汚水の根のつまりから道路への吹き出しが発生しました。ここ五年間のニュータウン内での公共下水本管のつまりは、24件発生していると認識しております。
汚水があふれる事で、衛生的な問題を引き起こすことも考えられる事や、悪臭から住環境を阻害すること、また河川の水質汚濁をすることとなります。
下水道事業は、市民生活や都市機能、豊かな自然環境を支える事業で公衆衛生の観点からも重要な事業であります。
汚水漏れは、問題になる前に取り組むべき課題であると考えます。
質問として・・・・・下水本管のつまりに対し、これまでどのような対応をされているのか?また、今後更新時期を迎える下水道本管に対し、どのように更新を進めていくのかお伺います。
全ての公共下水道本管をやり変えることも難しく、ストックマネジメント計画の策定を進め、順序決めをして、補修をしていく事と理解します。
ここ数年見られる本管つまりの主な要因となっているのが、木の根となっている事から、対処が遅れると本管の中で更に根が増殖し、本管のつまりがひどくなることや、下水本管自体の損傷がひどくなることも考えられます。
また公共下水本管から民間土地側の汚水管にも根が入り込み、被害が拡大する事も考えられます。
木の根は、水分がある方へ伸び、下水管は栄養素が豊富で、木の伸びるスピードもはやいことから、下水本管に入り込んでしまっている箇所に対し、いち早く取り除くことが必要であると考えます。
50年近く経過の下水本管の一部で、このような木の根からなるつまりが、発覚されれば、同じような時期に施工され、街路樹のある地域においては、同じような根つまりを引き起こす可能性が存分に考えられます。
また道路陥没などが起こってからでは、補修費の増大となってしまいます。
いち早く調査をして、被害が大きくなる前に問題解決に向け、取り組んで頂きたく感じます。
二回目の質問として・・・
木の根からなる問題に対し、どのように対処をしていくのかお伺いします。
今後、老朽化からまた更に被害のリスクが高まっていくことと推側されます。
下水道事業の更新においては、広範囲となり、財源的にも市単体での実施が難しいことと考えますが、被害軽減に向け、早い段階で下水道本管の老朽調査を行い、管渠の更新を進めて頂くことをお願いします。
以上 質問を終わります。