学校統合について・・・
総務省統計局の発表によると,2014年4月時点の全国15歳未満の子どもの人口は,前年に比べ16万人少ない1,633万人で,昭和57年から33年連続の減少となっております。子どもの人口が減っていることは何とも残念なことと感じます。
国立社会保障・人口問題研究所の将来人口予測によると,2040年には1,073万人と3分の2となり,そして50年後には半分になると予測されております。子どもの人口が減っていることから,全国的に毎年200から300の学校が廃校となり,統合が進められてきている現状にあります。
春日井市の状況を見てみると,土地区画整理事業や宅地開発によって,一部では児童生徒数が増加し,全学年で25学級を超える大規模な学校がある地域と,過小規模校に進む地域と二極化の傾向があります。小中学校の児童生徒数は昭和57年度の4万3,905人をピークに平成26年度には2万6,958人と,ピーク時の61%まで減少し,地域によっては1学年1学級編制しかできない過小規模学校があります。
市教育委員会では,学校は子どもたちが知識や学力,体力を身につけるとともに,集団の中で豊かな人間関係を築き,さまざまなことを学習しながら自主自立性を育んでいく場で,発達段階における子どもの人格形成においても,学校でのグループ活動やクラブ活動,学校行事等を通して社会性を育むことが求められており,そのためにはある程度の学校規模が必要であるとして,規模適正化を進められてきました。
藤山台中学校区では,よりよい教育環境の実現に向けた第1次小学校統合計画を平成24年2月に策定し,藤山台小学校と藤山台東小学校の2校を平成25年4月から統合がされました。28年度からは,西藤山台小学校を加えた3校の統合が行われます。この春日井市で初めてとなる統合について,ニュータウン周辺や過小規模校の地域に住まわれている方,また住居購入を検討されている方など,関心の高い問題であると感じます。
他市で発表されている学校統合後の比較報告書を調べてみますと,幾つかのよい影響も上げられます。統合後に生活面ではクラスがえにより,さまざまな友達と接する機会がふえ,豊かな人間関係の構築が図られやすいこと。学習面では多様な考えに触れ,認め合い,協力し合うなど,切磋琢磨する機会が多くなり,一人一人の資質や能力を伸ばしやすいこと。多様な学び合いを通し,思考力,判断力,表現力の向上が図られやすいこと。男女比やいじめなど生徒間の人間関係に留意して学級の編制ができること。PTA活動など保護者の負担を分散できること等が報告として上げられています。
一方,過小規模校では,学習内容の定着を図りやすく,自主的な学習態度も育ちやすい,また児童一人一人の活躍の場が多く,地域とのかかわりや異学年交流が多いことから,活動意欲や思いやりの気持ちも育ちやすいことなど,少人数であるがゆえのメリットが見られます。しかしながら,人間関係が固定化し,さまざまな考えに触れたり切磋琢磨したりする場が少ないため,応用力や活用力などを伸ばすための工夫に制約を受ける。教科指導に当たってもグループ学習など,多様な形態を工夫することが難しいことが上げられます。
さまざまな影響があると考えられますが,質問として,本市において旧藤山台小学校と藤山台東小学校の2校が統合され1年半が経過しましたが,子どもたちへの影響についてお伺いいたします。
また,統合前には通学距離がふえることや,登校時間が早まることや,新たな人間関係の構築の不安の声もございました。我が子を思う親として今までより通学時間が長くなってしまうことで,安全面を不安に思うことについても理解するところではあります。さまざまな肯定的意見,不満等もございましたが,質問として,2校統合後の保護者の方の反応についてお伺いいたします