心屋心理カウンセラーで看護師の
あきねぇこと、池田あきです
今日は私の継母について書きます
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私には父が二人、母が三人いる
実の父と母は
平均寿命よりもっと前に
亡くなった
義父も今年の一月に亡くなったので
いま残っているのは
義母と、
父の再婚相手である継母だ
あの人、とは
中学一年の頃から暮らしはじめた
あの頃、あの人は私に対して
けっこうキツかった
嫌みを言われたり
あなたのことは私と関係ないと言われたり
ご飯も作ってもらえなかった
洗濯もしてもらえなかった
でも私が結婚するときに
話を聞いてくれたり
嫁入り道具を揃えてくれたりして
私も大切にされているんだって感じてうれしかった
そのとき初めて
あの人のことを
「お母さん」と呼んだ
それから15年がたった頃
母に認知症状が出てきた
財布を冷蔵庫に入れたり
予定をすっかり忘れていたり
それまで亭主関白で
自分の好きなことを好きなだけしてきた父が
「お母さんのことは心配するな、今までの分、俺が面倒見るから」
そう言って、なるべく家での時間を増やすように
自分の仕事や遊びの範囲を
コンパクトにしていった
なのに
そこから一年もたたない間に父は急死してしまった
そこからは父の代わりに兄が同居して
母の面倒をみるようになった
はじめは何かにつけて文句を言ったり
私の物ををどこかへやったと
私たちに怒っていた母は
いつしか
性格が穏やかになっていき
私に「あきちゃーん、よろしくね」と
無邪気にピースをしながら
お願いやお礼をするようになった
若い頃、あんなに私に辛くあたったのに
若い頃のあなたはプライドが高くて、私にだけは絶対弱味をみせなかったのに
若い頃ではありえないかわいい母を
目の当たりにする度に
わたしの胸がチクッと痛みだした
あの時に味わった
わたしのくやしさ
怒り
悲しみ
さみしさ
ひもじさ
それを手放したいのに、恨みたくて離せない
お母さんを許してしまったら
あの時頑張ってきた私を
裏切る気がする
許すことは負けること
そんな風にわたしの心が
あの頃のわたしの心を浄化できずに苦しんでいた
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先月、母は
感染症で２週間ほど入院していた
環境が変わったせいで
認知症状が一時的に悪化したとき
そこの看護師に
「めっちゃお母さん大暴れで大変よー」
「ほんまにもう早く帰りやー」
と言われた
その時、めちゃくちゃカチンときた
私のお母さんに
こんなに可愛くボケてるお母さんに
そんなこと言うな！
そんな感情が沸き上がって
自分でもビックリした
ひっくり返るかと思うほど衝撃的だった
わたし、お母さんをかわいいと思っている
わたし、お母さんを愛しいと思っている
それがすべてではないけれど
たしかにそう思った
ありえないけど
見えてしまった私の心
あーあー
残念だけど、
もう思い出して恨んで、嫌わなくてもいいってこと？
残念だけど
大好きにはなれなくても
わざわざ大嫌いだと思い込もうとしなくてもいいってこと？
あーあー30年も握りしめていたのになぁ
あーあー
あーあー
あーあー
あーあー
残念
もう手放そうかなと思っても
まだ手放したくない気持ちがあって
ずっと握りしめるの疲れたけど
まだ握りしめたい気持ちもある
そうかそうか
じゃあまだ、そのままでいいよと
自分の頭をよしよしした
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いま母は退院して自宅で過ごしている
出来ないことが増えていって
記憶も15分、もたないけど
「お母さんボケちゃってるから、あきちゃんヨロシクねー」
とか言ってる母をみると
こうやって子供のように楽しそうに
慣れ親しんだ我が家で過ごす時間が
なるべく長く続けばいいなぁ
と心から思う
おわり
