一人

夜の海遊館に行ってきた。

一人だ。

チケットカウンターにはカップルの列。

一人だ。

俺の番が来た。

「大人・・・一人」

ゲートが見えてきた。

電車の改札のようにチケットを入れる。

３つある改札。

カップルが左端と右端の改札を通る。

俺は同じタイミングでまん中の改札を

同じタイミングでチケットイン。

一人だ。

「なまけもの？ちがうやんな！」

と騒ぐカップル。

「かわうそだ」と心の中でつぶやく。

夜の海遊館は少し照明を落として

まるで深海のようにミステリアス。

一人の良さは

自分のペースで見て回れること。

ラッコがやる気ゼロだ。

昼間に体力を使い果たしたのか

愛くるしい表情でＺＺＺＺ

ジンベイザメは相変わらず

水槽の番長としてゆっくりシマを徘徊。

よく見ればお腹のあたりにコバンザメの舎弟。

なんだかシンパシーを感じる。

最後に体験コーナーがあり。

エイに触ってみた。

ヌルッっとした今まで体感したことのない肌ざわり。

興奮した。

あ～誰かと共有したい。