いつか見せに行った彼女との景色を思い出した。

日本海に沈む夕日で、真っ赤に焼けた太陽がじわじわと日本海に吸い込まれていく。

『山に沈む夕陽しか見たことなくて、なんだか感激だな…』




宮崎に水平線が沈む景色はなくて、真っ赤に染まる水平線は無いのだから仕方ない。

『確かに日の出も赤いけど、夕陽がもっと赤く感じるのはなんでかな………?』

という、彼女のフレーズを思い出して調べにわざわざ図書館へ調べに行ったことがある。

光のグラデーションの始まりと終わりの差だよ、原因は。

そう報告して来た。生前の彼女に直接伝えても、『?????は??』となってるだろうね(笑)

私は雑学好きで、くだらないうんちくを喋っていると、『ふーん……で??』と返されるのがいつものやり取りだった。

今なら、ちゃんと聞いてくれそうな気がする。 いつか私も旅立つときが来たら、それからはもっと、ちゃんと話を聞いて欲しいな。