着物が好きな方は 【大島紬】はご存知ですよね
紬の中でも 一番有名と言ってもいいのではないでしょうか。世界三代織物と呼ばれるほどです。
それなのに現在多くの大島紬は
「紬ではありません」
着物を着る方なら 触ってみるとすぐに分かりますよね。
でも一番有名な紬が紬でないとは
それは、 簡単に言うと昔は紬糸を使っていたからであり、
「大島紬」というブランドを引き継いでいる
ということなのです。
一度 献上品となった時代から 紬糸ではなくなってきたようですね。
私にとっては「いちご大福」の餅が ここ最近はほぼ
求肥なのに 大福っていってるような
ものなのです。笑
「大福」とは本来は餅。餅米をついたものです。
昔の苺大福は もっと皮がもちもちでした。
今は ふわふわ。
求肥は白玉粉に砂糖と水を入れて
練り上げたものであり
別物なのですね
本来なら「いちご求肥」と
呼ぶべきものです。
それはさておき、
大島紬には 産地が大まかに３種類あり
奄美大島産・鹿児島産・宮崎都城産 と 証紙が違います。
下は 鹿児島県 本場大島紬の証紙です。
証紙は手元にはこれしかないのですが
参考までに。
伝統工芸のシール
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これは 手織の証紙で、機械織は 機械と記入。
大島紬は歴史も古く
様々な種類があります。 泥染、藍染、白大島、色大島など。
他の紬と一番違うポイントは「泥染」です。
大島紬の歴史は定かではないようですが
蚕の産地であったために盛んだったとか。
正倉院の書物の中にも 記されているほど
古い歴史があるようです。
最初から貴重な絹を泥で染めるという考えは想像できないですよね
草木染ならわかりますが
私にはそこが不思議なところでした。
調べてみると 泥田の中に 役人に見つからないように着物を隠したものの洗ってみたら
美しい艶がでた という説もあるようです
奄美大島、鹿児島という
火山灰の積もる大地の奇跡だったのかもしれません。
鉄分が多い 泥田の存在が泥大島の原料のテーチ木をあの美しい
染色の色の発色に変化させたのですね。
では 白大島になりますが 見ていきましょう。
白大島は 「カオリン」という 白泥で
染めたものになります。
最初白泥で染めたが大島の艶は出なかったようで
研究を重ね 今の白大島となったようです。
カオリンは顔パックにも良く使われる
美白の美容成分たっぷりの泥ですね
私も使ったことがあります
こちらが9マルキ で手持ちで一番細いもの。
隣の7マルキと比べると違いが分かります。
柄だけではなく 触り心地、 柔らかさがまったく違います。
色大島の多くは化学染料です。
色大島は 織り上げたあとに 染めるものも多いことから
紬とはまた違うのですね。
基本的には 生糸を使用し 後染ともなれば
友禅染との格差もうまれないと考えることでしょうが
知らない人が 大島紬と聞くだけで
「紬は普段着よー。 」
なんて言葉は ちょっと違うのです。
艶となんとも言えない滑らかな生地は素晴らしく
実際大島紬は振袖ができるほどの 質であり、
大島紬の振袖も存在します
花の模様が素敵です。
これは紬糸では出来ませんね。
紬糸である真綿は 本来は １匹でつくる繭玉ではなく オスメス２匹でつくりあげた繭を
使うため 太目で節が存在するような糸になるわけです。
赤い糸ではないけれど、 そんな結びの糸で織られた紬糸のほうが
なんだが神秘的な気持ちがしますが
後染の友禅染などに凸凹があっては
美しく染めることができないため
紬が庶民のものと愛されたのですね
愛のこもった紬糸
一人で作りあげた 繊細で細くて美しい繭玉
そんな自然の力を 反物としてしたてあげ
伝統工芸として 続いていたものも
数少なくなっていることは 確かです。
昨日 テレビで 草木染めの染色家の方が紬の反物を織る美しい番組をみました
その方の 師匠が 「色を追わない」（追求しない）
という言葉を伝えられたそうです。
色を追求していく後染に対し、
まずは糸を染め その糸の美しさから
新しいデザインが生まれてくる 紬。
大島紬はなんだか その両方を追求してきたもののような気がしました。
白大島は 最近の暑い 10月にはぴったりな着物ですね。
単衣でもよし
でも 今日は30度越え。
とりあえず涼しい ロングスカートですね