<氷菓スタンプラリーをめぐってひとり旅>2&3日目高山駅前で日本酒三昧「愚者のエンドロール」 | 晩酌日記徒然 おうちワイン期

<氷菓スタンプラリーをめぐってひとり旅>2&3日目高山駅前で日本酒三昧「愚者のエンドロール」

平湯温泉からバスで高山駅に到着。随分と綺麗になった駅にももう3回目、いい加減見慣れてきた。

旅先での会話を楽しんでいると時折聞かれる「高山は初めて?初めてではないなら何回目?」という質問にいつも何と答えるか迷う。何回目か分からないからである。母が高山出身(氷菓の「神山高校」のモデルの、白線を流すあの高校出身でもある)で、私が社会人になってしばらく経った頃までは祖母も住んでいたので、幼いころは夏休み・冬休みと年に2回帰っていた。
祖母が高山を離れて両親の住む横浜に来てから、そして祖母が亡くなってからでも数えてみるとおそらく今回が8回目。友人たちと3回、一人で4回、祖母の四十九日で1回。

それだけ来ていて何回も行っていて何回行っても大して面白くもないなと思うのが「陣屋」。笑
今回も時間調整のために駅に降り立ってすぐに行ってきたのだけれども、雪に覆われる庭は美しかったし昔の生活が感じられる展示も興味深いが、なんせここ「役所」つまり「オフィス」なんである。昔の社畜も大変そうだね…と世紀越えの共感をしつつ手早くまわる。社畜の皆さんにはぜひ立ち寄って欲しい。別に面白くはないニヤリ




そして陣屋近くまで来たらぜひ行くべきなのが「十代目儀助」さん!!飛騨の地酒専門店さんです日本酒
高山はじめ飛騨には美味しい日本酒の酒蔵が沢山あってそれらの飲み比べが出来るお店。地ビールもあるしもちろん購入だって可能。カウンターもあるから一人でも余裕、雰囲気も明るくて入りやすさMAX。行かない理由なくないですか???2度目の来訪。


人が働いている時間に飲むお酒ってのはなんでこんな美味しいんでしょうね!!!(最低)陣屋で社畜モードになった気持ちを酒クズモードに切り替える。

ちょっとほろよいでいい気分になったところでランチ。以前「ワカコ酒」にも登場したという「みちや寿司沖村家」さんで、蒸寿司と飛騨牛にぎりのセットをいただきました。




ここも2度目の来訪。蒸し寿司暖かくて優しいお味すぎて好き。。飛騨牛握りも脂と酢飯のバランス良くてちょうどいいです。そしてそこにオリジナルだという日本酒。マリアージュッ!!!(天を仰ぎながら)
蒸し寿司はいわゆる海鮮丼のようなものとは違くて、魚介類で言うとエビが入っているくらいで山菜や野菜が中心。そして何より玉子。これらと酢飯をかき混ぜながら食べるとクリーミーで美味しいのです。みちや寿司さんは100年続く由緒あるお店で、お寿司をいただこうとするとそれなりのお値段がしてしまうのですがこのミニ蒸し寿司と飛騨牛にぎりセットは3100円とリーズナブルなのでぜひ。

だいぶほろ酔いである。

でもまだ行く!
高山駅から歩いていけるところに何カ所か日本酒の酒蔵があり、近年ではコインサーバー等による試飲も充実しているのでぜひ色々行ってみて欲しいのだけれど、オススメは古い町並みから少し外れたところにある二木酒造さん。6種類の日本酒が1コイン(1杯)100円で試飲出来ます日本酒





日本酒の味わいを語れるほどではないのですが、オススメしたい理由は蔵の重厚な雰囲気が味わえるから。ひんやりとした空気を味わいながら、そして両面宿儺を飲みながら伏黒恵に思いを馳せる。ちなみに両面宿儺は飛騨に残る伝説です。


またぶらりとしつつ多分一番観光客が多いであろう三の街(古い町並み)へ。船坂酒造さんで愛用の「さけかすふっくらクリーム(オールインワンクリーム)」を買い込んだ後は「カフェ青」へ駆け込む。



町屋を改装したオシャレなカフェで、老田酒造さんの蔵の中にある。隠れ家的と言うにはどんなガイドブックにも立ち寄るように書かれる有名店ではあるのだけれど、風情ある中庭が望める店内は情緒がありただの観光客向けオシャレカフェとしてスルーしてしまうにはもったいない。

読書などして少し酔いを醒ます。

ホテルで少し休んでから夕食を食べようと外に出ると、雪が降っていました。
アニメ氷菓のオープニングといえばの招き猫も雪に晒され。



そういえばアニメ氷菓を見ていると本町商店街がよく出てくるような気がしますね。アーケードのある商店街で、観光客向けの店や飛騨牛フレンチの名店なんかもあるこの通りですが、どちらかというと地元のお店が多いんじゃないかな。
祖母に連れられてたまに行っていたスーパーとか、中高時代掘り出し物があるんじゃないかと目をこらしてウィンドウを見つめた楽器屋とか。
折木奉太郎の通っていた高校と、家の位置が“モデルとなった場所の通り”だとすると本町通りを南北に横切って通学していたのだろうなというのは良くわかる。アーケートあるしね。楽器屋のウィンドウに張り付いていた私とすれ違っていても不思議ではない、などと言うのは流石に夢女すぎるか。

この日は3軒ほどはしごし、そして沢山飲んだ。ワインもビールも日本酒も飲んだ。3軒目で地元の方に教えてもらったお店がとても美味しくて、多分一番街のあたりなんだろうけれど記憶にも記録にも店名が残っていなくて残念な限りである。


飲みすぎたからなのかその日は寝つきが悪かった。
ストレスから逃げたくて旅に出たはずがずっとストレスの源である仕事のことを考えてしまって、考えても仕方がないとわかりながらなんだか苦しい夜を過ごしてしまった。


※この先また氷菓ネタバレ

氷菓の聖地として語られ、ファンが訪れるカフェといえば「バグパイプ」と、もう一カ所「喫茶去かつて」。2年前に二日酔いの朝にジンジャーエールを飲みに行って美味しくて感動したが、今回は行けていない。
その「かつて」が「一二三」として登場するエピソードが「愚者のエンドロール」。古典部シリーズの小説でもアニメでも屈指の名エピソードとしてファンの間でも人気が高い…かは知らないけれど、少なくとも私の中では人気が高い。3本の指に確実に入る。

入須冬美という、奉太郎達の1つ上の先輩キャラがいる。“女帝”と呼ばれあの奉太郎をもアジテートし手のひらで転がすようマネをした彼女のことが大好きだった。作中の誰よりも共感できるキャラだ。

「私は、あのプロジェクトを失敗させるわけにはいかない立場でした」
何回も読んで、そうだよねそうだよねって共感していた彼女の言葉に、初めて疑問がわく。高校2年生にそんなに背負うべきものなんて、本当にあったんだろうか。いや、それが高校2年生じゃなかったとしても。管理職みたいなことやってるはずの私にも。

とまぁ、ワイン・ビール・日本酒と散々ちゃんぽんしたせいか、もんもんと逃げてきたはずの仕事のプレッシャーと向き合う嫌な夜になったわけですが翌朝はキューピーのサプリメント「よいとき」のおかげで頭痛はなく。ただ臓器はやっぱり疲れた感じがしてスロースタート。

有名パン屋「トランブルー」でパンを買ったりしながら午後はJRの在来線に乗って飛騨一ノ宮駅へバス




在来線はいわゆる「ボタンを開けてドアを開けるタイプ」で、しかも駅によっては一番前しか開かないという東京人にはなかなかハードルの高いタイプ。
そして駅は無人。無人????ICカードも使えない。そして駅前出てすぐの看板には「クマに注意 音を鳴らしましょう」の文字。

えええええ。
クマ出るの??去年巷をにぎわせていたニュースを思い出す。クマ怖いじゃん!!!!

怯えながら目指したのは「飛騨一ノ宮水無神社」、ここも氷菓スタンプラリーのスポットである。




荘厳さを感じさせる山のふもとにあるこの神社はもちろん由緒ある大きな神社ではあるのだけれど、平日の昼間ということもあってか境内には私一人。まじか。クマ怖い。社務所には何名かいらっしゃいました。安心してスタンプゲット。
ゆっくり氷菓の場面と比べながら境内を回って堪能。

なんというか、やっぱりパワースポットって言うんだろうね。ゆっくり境内歩きながら、時々子供みたいに雪に思いっきり足跡残したり雪で遊んだりしていると自然と気持ちが凪ぐというか。
クマへの恐怖も気が付いたら消えてましたくま


そして夕飯は!!!!クマ!!!!!


予約していた「山の幸うり坊屋」さんへ。ジビエが串で気軽にいただけるお店です。「でこなる横丁」内にあった時に2度ほど行ってましたが、移転してから初。ちょっと広く、入りやすい雰囲気に。でも19時くらいにはかなり埋まってました!木曜で。ネット予約とれるのでとったほうがいい。

鹿のユッケ風。

全部美味しいいいい



串は鹿・熊・猪。鹿はちょっとさっぱり、猪はほどよい油、熊は行凝縮された旨味。みんな違ってみんな美味しい!!!!!
クマへの恐怖を味わったばかりだったので、ジビエの意味合いを深く感じながらビールとともにいただきます生ビール

この日は前日の飲みすぎで胃腸が本調子じゃなかったのでビールにしましたが、日本酒やワインなんかも置いてました。移転前より充実した印象。次はワインと合わせたいな。
それとお会計が手元のタブレット端末で済んだものとても良し。おススメしたいお店です。

旅も後半戦、実質あと1日。スタンプラリーもあと1カ所です。